KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

キッドの運命 (集英社文庫)

キッドの運命 (集英社文庫)

キッドの運命 (集英社文庫)

作家
中島京子
出版社
集英社
発売日
2022-10-20
ISBN
9784087444414
amazonで購入する Kindle版を購入する

キッドの運命 (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

相田うえお

★★★☆☆22106【キッドの運命 (中島 京子さん)】星新一さんや三崎亜記さん系(SF)短編集①絶滅種のDNAから復活再生?②廃墟マンションの管理話と思いきや、奥の深い話③人工知能が人の手に余るものとなれば、その技術追求を禁止,放棄することもあるかも④未来では野菜を育てるのも大変だ〜⑤未来の子作りは色々な方法がある⑥人類が生きているだけで地球にとって迷惑な存在だっていうの、たしかにねぇ〜。◯解説がオススメ!とても興味深いことが書かれていて考えさせられました。人類、このままこんなことをやってていいのか!

2022/11/14

エドワード

以前読んだ「カゲロボ」にしろ本作にしろ、最近、未来はディストピアとして描かれる。1970年の大阪万博の頃とは大違いだ。確かにあの頃はエアコンのある家はなく、扇風機だけの夏は暑かったけど、熱帯夜も残暑もなかった。ビデオがないから、テレビ番組は一生懸命見た。一事が万事その調子で、インターネットにしろ携帯電話にしろ、文明が進めば負の側面が必ず現れる。遺伝子から再生する人類、タワーマンション、人工子宮、そんなもの発明するなよ~日本語がラテン語化し、世界人口を調節する食べ物が発明される「チョイス」が一番怖いね。

2022/11/25

tenori

近未来の日本とアジアを描いたなかなかにシュールな6篇の短編。日本は二度の津波と原発事故によって国土の半分を喪い事実上消滅した。『ふたたび自然に戻るとき』では高齢者だけが暮らす首都域のタワーマンションが再自然化し、カラスとコミュニケートした居住者が鳥葬を依頼するに至る経緯が人間(遠隔で建物の管理をしている)とカラスとの双方の視点から語られる。『赤ちゃん泥棒』での生殖と人工子宮の発想は川上未映子さんや村田沙耶香さんほどの衝撃はないものの、社会に対する疑念や危機的意識としては似たような匂いを感じた。

2024/03/31

ざるこ

近未来を描いた6篇。今まで読んだ著者作品で一番好きかも。震災や原発事故後というリアルを置いてもシリアスになりすぎないのがいい。介護、ヒキコモリ、安楽死。今抱える問題を過去の出来事として皮肉たっぷりに描いてるようだけど今に訴えたいんだろう。個性的な人物と独特のユーモアで楽しく読めるのは貴重。人工子宮移植を受ける妊婦ならぬ妊夫「赤ちゃん泥棒」想像キツイ!ゆっくり不具合なく健康を失って死ぬサプリ「チョイス」いつか寿命を管理される時代が来るのかな。自分の葬り方を自分で選んだ「ふたたび自然に戻る時」はじーんとくる。

2023/01/17

じーにあす

6つの短編集。近未来を描きながらも現在の問題などが過去として語られたりしている。便利な世の中になった、科学は進歩した、それで人は幸福になったのか。解説に「もういいよ、これ以上進歩しなくって、と毎日のように思っているのだが、あんまり言えない」とあったが、全く同感なのよね。でも、労働しない世界っていいなぁと思った。人口増加が危険だって考え方も同感。ディストピアではないのだけど、どこか崩れた不穏な未来。有り得る未来。便利になって失う物もあるんだろうけど、それは今現在生きている人も同じなんだろうね。

2023/12/11

感想・レビューをもっと見る