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水を縫う (集英社文庫)

水を縫う (集英社文庫)

水を縫う (集英社文庫)

作家
寺地はるな
出版社
集英社
発売日
2023-05-19
ISBN
9784087445213
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水を縫う (集英社文庫) / 感想・レビュー

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エドワード

松岡家の姉の水青は女の子らしい格好が苦手、弟の清澄は刺繍や手芸が大好きだ。近く結婚する水青の「リボンもレースもフリルもいらない」ウェディングドレスを自分が作る、と意気込む清澄。水青の女の子らしさ嫌いの理由が重い。最近よくあるジェンダーフリーの物語と思いきや、はるかに越えた家族愛の物語だ。二人の離婚した両親、市役所勤務のさつ子とデザイナーの全、祖母の文枝等の目から見た家族の日々は、多少雑だけど愛に満ちている。清澄の才能は父親譲りかな?行き詰まったドレスを一日で仕上げる全がさすが。二人の名前の由来がいいね。

2023/07/18

TAKA

普通とは、らしさとは、男だから刺繍をしたらダメなのか、女だから派手な衣装を着なきゃいけないのか。父親だから母親だから。カテゴリーにはめ込むことはもうやめませんかということ。好きなものは好きでいいんですよ。偏見くらいくだらないことはないと思う。価値観なんて所詮曖昧なものですからね。血が繋がってなくても家族は持てます。黒田さん章にホロッとさせられちゃいました。いい読書でした。

2024/05/13

紫 綺

単行本にて読了。川の流れのように緩やかに、あるいは激しく。それでも川は流れ続ける。「ふつう」って何?「当たり前」って何?問い続けながら流れていく6人の家族の物語。

2023/11/10

ケ・セラ・セラ

手芸(刺繍)好きな男子高校生を主人公に据えた一冊かと思っていたらそうではなかった。各章、彼と彼の家族や登場人物たち視点で語る作品。彼らはそれぞれに世間がはめる型へモヤモヤした違和感を抱き続け、社会からの押し付けに抗って生きている。ヒリヒリ痛いほどの各人の章から、終盤にかけドレスが形になっていくさまには溢れるような思いが押し寄せ、胸が熱くなった。どの人物にも共感できる良作。

2023/07/24

セシルの夕陽

好き♡ ジワジワ胸に迫り涙腺が緩んだ🥹 女らしさ、男のくせに…社会からの抑制に抗いたい。でも、刷り込まれた価値観が呪縛にもなっている。そんなテーマは「大人は泣かないと思っていた」に通ずる。刺繍が好きな高1男子:清澄は、かわいいものが苦手な姉:水青のウエディングドレスを、手作りすると宣言。各章は清澄、水青、母、祖母など、語り手が入れ替わる。それぞれが、社会からの抑圧にモヤモヤしながらも、それを上手く表現できず、不器用に生きている。全員を抱きしめたくなった🧡 ジェンダー後進国、変わっていかないと、ね。

2023/05/29

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