KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

遥かなる水の音 (集英社文庫)

遥かなる水の音 (集英社文庫)

遥かなる水の音 (集英社文庫)

作家
村山由佳
出版社
集英社
発売日
2012-11-20
ISBN
9784087450033
amazonで購入する Kindle版を購入する

遥かなる水の音 (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミカママ

読みやすい作品ではなかったのだが、あとがき代わりの対談(なんとお相手は沢木耕太郎氏)を読んで納得。書き始めてから書き上げまで数年、間があいた、とのこと。個人的な趣味からいえば、各人の恋愛事情をじっくり読んでみたかった。モロッコがとても魅力的。かつてモロッコで現地の男性と同棲していたという友人が、クスクスとタジンの煮込み料理をごちそうしてくれたことがあり、そんなことを想いながら読んだ。

2022/03/01

hiro

村山作品3冊目。読メのこの本の感想に触発され、読むことにした。亡くなった周の遺言でサハラへ遺灰を撒きにいく4人(姉緋沙子、ゲイのフランス人ジャン、幼馴染の浩介と結衣)とガイドのサイード、そして亡くなった周も加わって、それぞれの視点で物語が進行していく。死、イスラム、そしてゲイという設定と、サハラ砂漠という極限の場所に遺灰を撒くために向かう旅の目的がうまくかみ合い、今まで読んだ村山作品では一番引き込まれた。さらにサイードのラマダン中という設定で、よりイスラムを感じれた。さあ、次は黒村山にチャレンジしよう。

2013/12/30

あすなろ

遺骨の入った紅茶缶を含めると5人の旅を描く。僕の灰はサハラに撒いてくれ。3人の弔い旅に死への旅をする1人。そしてガイドの1人。この旅で描かれるのは決して再生に辿り着かない。あくまで弔い旅だが、その再生は読者に委ねられる。そして、パリからモロッコ サハラへのその旅の描写が秀逸。5人の旅する心理描写と相まう。僕には題名の脈々と砂漠を流れる地下水脈より、サハラ砂漠のトゥアレグを砂漠の青い貴族と呼ぶという描写の方が強いインパクトを得た。なお、文庫版最後に収録された村山氏と沢木耕太郎氏の対談も読み応えあり。

2020/05/04

りゅう☆

「僕が死んだらその灰をサハラにまいてくれないかな」そう言い残した周。フランスで恋人からの愛を感じるも結婚という形を受け入れてもらえない周の姉緋沙子、周の最後のパートナーのジャン=クロード、学生時代からの友人浩介と結衣の4人で周の足跡を辿る旅へ。男しか愛せない周は浩介への気持ちを隠し続けてきた。仕事のよきパートナーから男と女の関係になった浩介と結衣の気持ちが複雑。4人と周、ガイドのサイード視点で物語が進む。そしてこの旅で彼らの心の中に大きな変化が。お互いの命の大切さに気付いた浩介と結衣、恋人への本当の→ 

2019/05/16

aoringo

若くして亡くなった青年を、サハラ砂漠に散骨するためモロッコへと向かう姉と恋人と友人たち。異国情緒溢れる中で、それはそれぞれにとっての大事なものを見つける旅となる。男とか女だとか枠を超えた愛の形に、最後の1ページは丸暗記したいくらい心に響いた。幸せはぼーっとしてたら通り過ぎてしまう。今、一緒にいられる奇跡を大事にしなくてはと痛烈に感じました。

2019/11/24

感想・レビューをもっと見る