空の冒険 (集英社文庫)
空の冒険 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
吉田修一さまのエッセイはお初かも。表紙をめくってすぐにあるイケメン写真に膝かっくんなりながら。全編、吉田さんの優しさにあふれる短編とエッセイ。中でも『ほえる犬は噛まない』では、そのあまりのリアルさに、私自身結婚したかった彼との失恋を思い出して、思わずこみ上げてしまった。どこかに旅に行きたくなること、請け合いの1冊でもあります♬
2016/06/15
chantal(シャンタール)
今回の出張、行きは沢木さんの列車の旅を、帰りは北京からの飛行機で「翼の王国」に連載されていた吉田さんのこちらを。前に「あの空の下で」を読んだのも北京からの帰りだったなあ・・前半の短編も良かったけど、いくつかあまりにも唐突に終わってしまって「!?」となってしまった。何かの間違いじゃないよね?後半のエッセイはやはり楽しい。ブータン、行ってみたいなあ。台湾映画「海角七号」懐かしい!また観たくなった。香港から深圳に出かけ楽しく過ごしたエッセイが意外。深圳、大して面白くないし😅でも世界の窓には行きたくなった。
2021/06/25
じいじ
ANA機内誌「翼の王国」への連載をまとめた短篇集の第2弾。根をつめた読書のあとなので、良き気分転換が出来ました。読みたくなるタイトルの【ほえる犬は噛まない】は、本文も面白かった。30数回も訪れたソウルが舞台なので、街の情景が目に浮かんできて懐かしく読んだ。お気に入りは『山音』。舞台は冬のスキー・シーズンも過ぎた、山あいのしなびた民宿。客は自分一人。何をすることもなく、男のひとり旅で投宿する主人公……。私もこんな宿で本を読み、のんびりと湯に浸かる旅がしたくなりました。暑さボケの頭は、少しすっきりしました。
2023/08/07
いたろう
ANA「翼の王国」に連載された短編小説12編とエッセイ11編。ベルン、ソウル、釜山、ブータン、シンセン、ニューヨーク、台北、ラ・ボル(フランス)、等々、小説にしてもエッセイにしても、飛行機の中で読むのに適した、世界各地の街角を舞台にした話から、身近な話まで。小説は、1編10ページ強の分量で、物語の一部を切り取った断片、断章のようだが、むしろそれが余韻を感じさせていい。中でも、ベルンを舞台にした「緑の光線」が印象的。ベルン市民の夏の楽しみ、旧市街を取り囲むアーレ川を泳ぐのではなく、流される、というのが優雅。
2019/09/09
hit4papa
ANAの機内誌「翼の王国」に掲載された短編12編と旅のエッセイが収録されています。前作の『あの空の下で』は、名文がちらほらと心に残る作品があったのですが、本書は淡々と読み進めてしまい、随分あっさりしています。著者の作品は、明るめであっても陰りがあるのが特徴的なので、作風という意味では違和感がありました。エッセイは著者の人となりがあらわれており、一連の作品からの印象よりは良い人なんだと想像できます。映画「悪人」のロケ地を後追いする旅は、作品に対する思い入れや映画への感想など語られていて興味深くはあります。
2017/06/03
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