思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫)
思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫) / 感想・レビュー
しゅわ
【図書館】人気の「思い出のとき…」の第二弾。明里ちゃんと妹のお話、果物屋夫婦のお話、時計の化石のお話、印刷屋夫婦のお話…の4本立て。時計屋さんと明里の関係はあいかわらずスローテンポでジレジレ。でも素直に甘えられないところとか、わかるなぁ~。ヤキモチを焼く時計屋さんに、明里ちゃんと一緒に悶絶しました。物語的には謎解きとファンタジーのあいだ…という感じで、時々出来過ぎの偶然にツッコミ入れたくなるけど、ノスタルジーあふれる商店街のような、ゆっくりとした雰囲気をみていると、何でも許せそうな気持ちになります。
2013/12/16
まりも
「思い出」を修復する時計屋の店主である時計師・秀司が、多くの人の悩みを解決する話の第二弾。今回は微妙でした。この作品の持ち味はほんわか温かい雰囲気だと思うんですが、今回はその雰囲気に浸れませんでした。前回と比べて登場人物にイライラさせられっぱなしだったのが最大の原因でしょうか。そのせいでご都合主義な展開が気になってしまうんですよね。太一の存在意義もよーわからんし、ふわふわしすぎだった気がします。雰囲気、二人の甘々は好きですが、それだけだとちとキツイかと。次巻も買ってるので、そこに期待します。
2015/09/04
ちはや@灯れ松明の火
傍らで息をするように、手の中で脈を打つように、この針が刻んできた時間を憶えている。今日も朝陽のゼンマイが巻かれて動き出す街並、その中に、傷ついた思い出だけが膝を抱えうずくまったまま。半分しか繋がらない絆、一辺の崩れた三角形、投げ捨てられ石と化した夢、雷に奪われた記憶。小さな歯車がわずかに欠けただけで軋む音と走る痛み。呼び掛ける鐘の音、持ち主を探す旅路、歯車一枚きりでは動かせない、重なって伝えあう輪列みたいに、隣には必ず誰かがいた。また朝が来る、あなたと過ごした今日の思い出が、明日を動かすゼンマイを巻く。
2014/10/21
hiro
寂れた商店街を舞台にした美容師と時計屋さんが主人公の連作短編集の第二弾。前作は読メの登録数が千件を超え、書店でも平積みされているのが気になって購入したが、今回は読メで続編がでることを知り発売日に購入した。前作もほっこりしたが、第二弾はよりやさしく、さらに二人が付き合いだして甘く、さらにミステリぽっくなっていた。ネットでみていると、この本の読者層は20〜30代の女性で、この秀司が女性にとって理想の男性像だとか。場違いのおじさんには、少し甘すぎて血糖値は上がったが、あの謎の太一がいいクッションになってくれた。
2013/09/25
くろり - しろくろりちよ
明里が越して来た商店街にも慣れ始め、恋人の時計師・秀二と穏やかな時を刻み始めた頃。二人と、神社に住む太一のもとに「修理したい思い出」を持つ人たちが訪れる。忘れていた思い出を取り戻すため、すれ違った思い出の意味を直すため、若き日の過ちを未来に修復するため、思い出をこれから作るため…それぞれの視点から過去が語られ、しかししっかりと未来を見つめ思い出の修理を望む…。温かく心を癒すシリーズ、二冊目。それにしても不思議な太一の正体、知りたいけれど知らない方がきっといいのだろう。
2014/03/01
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