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光 (集英社文庫)

光 (集英社文庫)

光 (集英社文庫)

作家
三浦しをん
出版社
集英社
発売日
2013-10-18
ISBN
9784087451214
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光 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

三浦しをんは、いろんな作風を持っているようだ。本編は、少なくてもこれまでに読んだ、彼女の他のどんな作品にも似ていない。三浦作品の主人公たちは、タイプは色々であっても、ひたむきに人生を送っているという印象だった。ところが、本編の信之も美花も、ともにある種のニヒリストである。それは、かつて子ども時代に未曽有の体験を経てきたこととあるいは関りがあるかも知れない。しかし、彼らはそれぞれにその本質において自己と人生の間に埋めがたい距離があるのだろう。一見、信之は美花にだけは執着しているようにも見えるが、⇒

2024/10/30

さてさて

『人の心って、そんなにいい面ばかりではない』と語る三浦しをんさん。そんな三浦さんが問うのは、人の心の闇を照らし、闇に導く『光』の物語でした。『美花を暴力から救ったのは、信之の暴力だ。信之の振るった暴力が、そのあとの信之を救いつづけ、行く道を示し続ける』という『暴力』を導く『光』。嫌な感情を突き動かされ続ける読書。持って行き場のない感情が襲うその結末。それは、人の心の中にあるドロドロとした闇を彷徨う物語。人間の本質にぐりぐりと迫る三浦さん。そのあまりの凄みに、読後しばらく放心してしまった衝撃的な作品でした。

2021/04/23

射手座の天使あきちゃん

あちゃ~! お久しぶりの「ハズレしをんさん」(笑) お決まりの腐れ縁男二人が登場し、妖艶な女子も加わって面白くなるかと思いきや 暗い・暗い・重い・重い・痛い・痛い あぁ、気分直しに今日はとっておきの日本酒「宗玄」飲んで寝ましょう!! <(^_^;

2013/12/17

美雀(みすず)

いつもは明るいお話という三浦しをんさんの異色作でした。暴力は繰り返される。暴力は暴力で終わらせる。暴力の末の死。最初から最後まで暗かったです。暗い中の優しい光を求めるようなストーリーでした。

2013/11/14

bunmei

今度、映画化されるのを聞き、楽しみにしています。三浦しをんさんの作品は、温かな気持ちにさせてくれる作品が多いのですが、今回の作品は、人の暗い運命や心の陰の世界へと誘います。東野圭吾の『白夜航』を思い起こさせるストーリー。また、この作品が、東日本大震災の津波被害が起こる以前に書かかれたという事が、あまりにも奇跡的で大津波の圧倒的な描写力に息を呑みます。津波で破壊された島で暮らす中学生の信之と美花。その日、2人に苦悶な人生が運命づけられる。津波によって翻弄された、信之達の切ない人生に『光』はあるのか?

2017/09/30

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