風の如く 水の如く (集英社文庫)
風の如く 水の如く (集英社文庫) / 感想・レビュー
キャプテン
★★★★★_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1600年安土桃山時代─もう一つの関ヶ原編】関ヶ原とは、三成殿と家康殿が雌雄を決しただけなのでごさろうか?実は、この大戦で漁夫の利で天下を得ようとし、第三勢力を興した者がいたでござる。名を「黒田官兵衛」と言い、戦国屈指の軍師にござる。この書では、その謀略を追求する家康側と、謀略を隠し通そうとする官兵衛側の智略戦が描かれる。追求者の鋭さに、見ているこっちが冷や冷やしたでござる。「水の人」官兵衛殿…「風の人」家康殿…二人の描く遠望に清々しさが残る不思議な感覚。
2017/12/04
扉のこちら側
初読。2015年218冊め。関ヶ原の戦いを東西の対決ではなく、黒田如水(官兵衛)を大三極とした三つ巴の戦いだと見てみると…。歴史は色々な見方ができるのだな。
2015/03/05
emico
関ヶ原の合戦において、家康と三成を戦わせその隙に天下をとろうと如水が画策する三つ巴的な話。全くの架空の話ではなく、如水が九州で虎視眈々と天下を狙っていた史実を元に描かれている。ただそれは、その時をリアルに描くのではなく合戦の後、如水に謀叛の動きありとその疑いを家康に命じられた本田正純が追っていく話になっていて、これはこれで面白かった。
2015/08/04
黒猫
とても面白かった。秀吉の参謀として名高い黒田如水の生き様がカッコいい。上杉謙信や武田信玄などとはひと味違う魅力がこの人にはある。黒田如水は戦国末期から徳川政権の過渡期に如何に自身を活かせるかを考えて生きた人です。石田三成と徳川家康を対決させて弱った所を九州から叩くという発想。また、本編でもわかるように内部工作を緻密に描く作者の筆力に感心する。現代にも蔓延るコネや嫉妬など様々な大名の陰謀を巧みに操り新たな国作りに一花咲かせようとする如水の生き様に惚れた。人に媚びず、しなやかに水の如く生きる。オススメですよ。
2019/08/27
河内 タッキー
天才軍師として名高い黒田官兵衛だが、息子である長政が一体どう言う人物なのか?親子関係はどう言うものだったのか?興味があり読んでみた。可愛い息子が信長の人質時代に危うく殺されかけた。それに対し父親としてどう思っていたのか?そんなことがあって、関ヶ原後の左手は何をしていた?という冷ややかな態度にどう繋がるのか?そこがこの物語の核心になる。家康はタヌキだが、同じぐらい官兵衛もタヌキだ。
2014/05/13
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