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仮縫 (集英社文庫)

仮縫 (集英社文庫)

仮縫 (集英社文庫)

作家
有吉佐和子
出版社
集英社
発売日
2014-04-18
ISBN
9784087451832
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仮縫 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

1960年代、洋裁学校の生徒だった隆子が、日本で唯一というオートクチュールの専門店に引き抜かれる。いつかはこの店を自分のものに、と意気込む隆子の野心が頼もしい。女性の専門職としては看護師、教師、または和裁や洋裁、という道しかなかったであろう当時。わが母もかつて都内でお針子をしており、わたしの幼少時にはいつも採寸をして洋服を作ってくれていた。あれも思えばオートクチュール?(笑)隆子の快進撃と共に思わず手に汗を握る展開だが、有吉さんならではの力強さと優しさに満ちたラスト、読み心地がよかった。

2022/03/27

青乃108号

60年前に刊行の古い本。昭和の日本唯一のオートクチュールの店、「パルファン」。洋裁学校から引き抜かれ仮縫いの縫い子として雇われた清家隆子。純粋な小娘だった彼女はやがてメキメキと頭角を現し、突然に代表が出奔同然にパリへ旅立ってしまった後を一手に任され、人気女優の映画の衣装やデパート向けのプレタポルテに進出、事業を拡大させる。全て私がやり遂げた…そこに突然帰国する代表。隆子が不眠不休で成し遂げた店の繁栄を当然の如く代表はかっさらい…失意のどん底の隆子は。俺には全く縁のない世界の物語だが一気に読まされた。良作。

2024/05/15

小梅

仮縫が初の舞台化との事でチケットをゲットしたので、先に原作を読みました。有吉佐和子の描く強い女性が好きです。母がオーダー服を作る洋裁のプロでしたので、仮縫が1回で終わらないとかオーダー服を作る工程を少し知っていました。しかし手作業である為、短期間に大きく事業を展開するとかは無理だろうな…とは思いましたが、そんな事は吹っ飛ぶ程グイグイ読ませます。コテンパにされても前を向いてるラストが良かったです。私が思った事は解説で森英恵が書いてくれていました。5月7日に舞台を観に行くのが楽しみになりました。

2018/04/12

みっこ

ハードカバーの初版はもう50年以上前に出版されていますが、全く古くさくなく、読みやすかったです。このままドラマになりそう!"お嬢さん"だった隆子がどんどんしたたかになっていくのが心強くも、ちょっぴり怖い。でも結末は意外でした。彼らがさらに上手だとは…。大人って怖い(´Д` )苦々しいラストではあるけど、どこか明るくて読後感が良かったです。隆子はこの経験を活かして、さらにのし上がるはず。きらびやかなファッション業界の舞台裏、面白かったです。

2017/04/04

ソーダポップ

主人公の清家隆子という洋裁学校に通う若い女性が、当時日本に一軒だけというオートクチュールの店「オートクチュール・パルファン」の店主松平ユキにスカウトされて、彼女のもとで働くようになり上昇志向の強い隆子がひた走る物語。この作品は、清家隆子のエネルギーに引っ張られて読んでいくのが面白い。「パルファンを私のものにしてみせる」彼女の存在感は、オートクチュールを背景に実にリアルに描かれている。この作品は、「華麗なる闘い」として1969年に映画化もされていて、とても魅力的な著書でした。

2022/03/26

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