四十八人目の忠臣 (集英社文庫)
四十八人目の忠臣 (集英社文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
ずっと前から12月になると迷った作品。ドラマで武井咲さんが演じている。今年の暮れまで残しておこうかと・・迷って手にした(汗)諸田さん、見事に『きよ』を描き切りましたね!女にも出来る忠義とはー討ち入り後からの動向・心情が痛い程伝わる。嗚呼、きよ・・喜世・・左京の方・・そう、月光院。それでも「おほりさまー」と呼ぶ声は身体は、あの頃のままなのだ。そこがこの作品の好きなシーンだった。
2017/01/07
優希
面白かったです。赤穂浪士を支えた女性・きよを軸に展開する物語。忠臣蔵を女性から見て描くというのが新鮮でした。夫婦の契りを交わした磯貝十郎左衛門との若き日の恋や、大奥に入り、月光院となって浅野家再建に尽力するなどの設定はかなり大胆です。討ち入りや切腹を描かないのに感じる忠臣蔵。最期まで支えた女性がいたことが何とも言えません。歴史の流れに流されることなく、自らを貫いたきよの姿に感動します。
2016/03/21
扉のこちら側
2016年560冊め。知っているようでよくは知らない忠臣蔵を、赤穂藩主正室の侍女・きよ視点でたどる。切腹した十郎左衛門が琴爪を形見に遺したというエピソードは歌舞伎でもあったはずだが史実なのだろうか。タイトルの四十八人目はきよであり亜久里であり、すべての家族・縁者だという深い描かれ方。事件後のきよの身の振り方には驚かされた。そう繋がるのか。
2016/07/16
saga
『堀部安兵衛』に引き続き元禄赤穂事件の時代小説を手にとった。後に六代将軍・家宣の側室となり、七代将軍・家継の生母となったお喜世の方が、実は赤穂浅野家の侍女だったという、史実の隙間を突いた驚きの設定。赤穂事件は義士の切腹だけでは終結せず、義士の子らにも類が及んでいたとは知らなかった。きよ(お喜世の方)や浅野家に属した女性達が、浅野家の再興、汚名を返上するために、生涯をかけて忠義を尽くす物語に感じ入った。
2020/05/22
アッキ@道央民
忠臣蔵の外伝と言ったお話しですね。赤穂四十七士の1人の磯貝十郎左衛門と夫婦約束までした赤穂浅野家に仕えるきよが主人公。浅野内匠頭が松の廊下で吉良上野介に刃傷。お家断然。そして討ち入り。女性目線で一歩引いた目で描かれているのは面白いと思う。吉良家や上杉家とも関わりを持った事から、吉良側や上杉側の身内の事にも思いを寄せたりする場面も。まさか、この主人公のきよが、時期将軍の家宣に関わりを持ち、悲願の赤穂浅野家再興のために尽力するとは。まさしくきよも四十八人目の忠臣だよ。ラスト、昔馴染みのおほり様との再会は感激。
2023/01/07
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