小説を、映画を、鉄道が走る (集英社文庫)
小説を、映画を、鉄道が走る (集英社文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
鉄道に関するエッセイで、小説あるいは映画などの出てくる鉄道関連の話をつづられています。ご自分で鉄道に乗ったのをエッセイにしたのは最後に書かれている「東北鉄道の旅」だけです。それ以外は様々な本についての話が多く私は非常に満足させられました。特に「忘れられない小さな駅とローカルの鉄道」は私もこのような分野について興味があるので楽しめました。
2015/07/31
たびねこ
読んでいる先から、行きたくなった駅がいくつもあった。千葉・内房線の太海、北海道・湧網線の卯原内、広島・福塩線の万能倉(まなぐら)などなど。今はない路線や駅もある。山本周五郎の「季節のない街」を読み返したくなる。黒澤明の「どですかでん」ももう一度観たくなる。鉄道はノスタルジーであり、小説や映画の中にあって初めて輝いたり息を吹き返すこともある。川本氏の鉄道への思いのたけが詰まった一冊。
2014/12/07
香乃
林芙美子さんの『放浪記』を読み終わった後、本屋さんで見つけて購入しました。実は、新刊で出たときにも本屋さんで手に取ったのですが、その時は出てくる小説や映画をほとんど知らなかったので、興味はあるけど…と買わずに戻したんです。そう考えると、本との出会いって運命的だなと思います。そして、その本の読み時というものもあるんだと。著者である川本さんは、あとがきでも書いているように、「鉄道マニア」ではなく、あくまでも「乗り鉄」だそうです。私も「乗り鉄」組なので、車窓を思い浮かべながら、小説や映画の世界に浸りました。
2015/10/25
midnightbluesky
加賀乙彦の著作を引き合いに出すのはお約束としても、だ、島田荘司や、なんと吉田秋生の漫画までも出てくるところには驚いた。またもや、川本さんの懐の深さを感じる。
2014/11/06
かわくん
タイトル通りに、小説や映画に出てきた鉄道の情景と、自分が経験した旅について書いている。鉄道の旅が好きだという著者は映画や文芸評論を主に書く人だが、これほど鉄道が好きだとは思わなかった。しかし視点はマニアックではなく、鉄道の素人でも読みやすい著作だ。小説や映画、そして鉄道を素材にした良質のエッセーといえよう。
2015/04/09
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