不惑剣 完四郎広目手控 5 (集英社文庫)
不惑剣 完四郎広目手控 5 (集英社文庫) / 感想・レビュー
marsa
シリーズ5作目。今回は激動、壮絶なストーリーだった。明治の世に変わって何年もたっても旧武士はなかなか器用には生きられな次い者がいっぱいいたのだろう。不満分子の反乱とひとくくりにはできない。勝てるとは思っていなかっただろう。死にどころを求めていたのかもしれない。今回は熊本の反乱に向き合った完四郎の哀しみが切なかった。運命に抗うことの難しさと自分の今までの生き方を考え、これからどこに向かっていくのか。ちょっと心配だけど素晴らしい仲間がいるもの❗次回作が楽しみです。西南の役ですね❗
2015/01/25
あいちょ。
図書館。 完四郎5作目。
2023/12/21
Susumu Kobayashi
朝鮮から戻った完四郎は、日本国内の内戦の予感に悩まされる。完四郎は警視庁の密偵として九州に行き、神風連の様子を探るが、共感の心が芽生えるのに気づき悩む。題名には不惑とあるが、大いに迷う完四郎である。本作品はこれまでとは異なりミステリの要素は少ない。それでも読ませる。
2020/06/27
timeturner
これまではどちらの側にもつかず、第三者として時代の流れを冷静に分析してきた完四郎が、ここにきて遂に揺らぎ始める。そういう葛藤は戦争ジャーナリストなら誰でも直面する問題で、どんなに考えても正解はなく、考えることをやめず、目をつぶらず、証言し続けるしかないのだろう。
2021/02/26
qoop
幕末から明治へと時代が進み、遂に神風連の乱へ。執着なく恬淡としてクールな彼の迷いと嘆き。読者は思わぬ告白を聞かされるが、それこそヒーロー然とした主人公に血の通った瞬間なのかもしれない。時代背景といい人物造形といい、1巻からすると遠くまで来たという印象。次巻ではこの流れが加速されるのだろうか。〈たたり〉のような作品も読みたいけれど。
2014/12/20
感想・レビューをもっと見る