田中慎弥の掌劇場 (集英社文庫)
田中慎弥の掌劇場 (集英社文庫) / 感想・レビュー
優希
田中慎弥さんの描くショートショート。何気ない日常が歪んでいく瞬間を切れ味良く、ブラックユーモアに仕上げています。居心地の悪い作品が多いのは世の中への風刺とも取れました。
2015/10/15
クプクプ
この本は中村文則の「惑いの森」のようなショートショート小説集です。田中慎弥は毒があり、頭が柔らかく、博物学や野球、政治に詳しいです。ひとつひとつの物語が読んでいる私の頭の中へ入ってきて複雑なあるいは単純な化学反応を起こしていく感じでした。特によかったのは「海星(ひとで)」という海釣りの話でした。私は海の餌釣りをしたことがないので、海釣りと山口県という土地に強い憧れを抱いた作品でした。
2022/08/31
優希
再読です。ショートショートながら毒の味わいが濃いです。何気ない日常の中に潜む暗い部分を見事にユーモアへと昇華しているように感じました。居心地の悪い作品が多いのですが、そこが魅力でしょうか。世の中の風刺ともとれると思いました。
2024/06/28
桜もち 太郎
38のショートショート。記憶が上書きされて頭に残らないが、きっと再読しても面白く読むことができると思う。日々の生活の隅っこを突くような作品が多かった。
2017/07/03
hiratax
アルバイトを含んだ就業経験を持たない彼が、なぜここまで幅広いテーマを描けるのか。想像力の源泉が知りたい。
2015/07/26
感想・レビューをもっと見る