女文士 (集英社文庫)
女文士 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ann
知らなかった存在、眞杉静枝。その彼女の奔放な人生にスポットライトを当てたのは、語り口である秘書の「その口」を借りた林真理子氏。敢えての「女文士」というタイトルは、誰にも愛されなかった眞杉静枝への、林氏からの「餞」だろうか。或いは(女性)作家としての本懐なのか。
2019/04/18
ワニニ
眞杉静枝という作家を知らない。それもそのはず。彼女は文壇の界隈にいたというのに、ほとんど作品を遺していないという。驚き呆れるほどに子供っぽく、もっともっとと欲しがる人。美しさと文才と…持っていたのに。これはしかし、林真理子自身にも感じる「欲」。恥ずかしげもなく欲しがる感じ。でも、林真理子に美貌はないが、この眞杉に賢さはなく、小説は書けない。林真理子は明らかに才能があり、眞杉の欲しい物を手に入れ、『女文士』も面白く書けるんだなあ。歴史上の人物を描くのに、いつもの女の嫌な面・恋愛ものを読んでいる雰囲気。
2015/09/29
鍵ちゃん
かつて文豪に欲に取り憑かれた魔性の女がいた。評判の美人だった彼女は台湾で最初の不幸な結婚をするが、耐え切れず大阪へ。新聞社で書く仕事を見つける。愛人となった武者小路実篤に捨てられ、若い恋人、中村地平に逃げられた。売れっ子作家だった中山義秀との二度目の結婚も破綻。スキャンダルを巻き起こし、最後は壮絶な痛みに苦しみ病死した作家・眞杉静枝の生涯を描く。静枝は自分に正直に生きた人で、幸せな結婚が本当に憧れていた人であったんだと思った。一方、周りの文豪たち、特に武者小路実篤の身勝手さと、可愛らしさが面白い。
2023/05/13
これでいいのだ@ヘタレ女王
著者のエッセイなどは、苦手だが実在した過去の女性の人生を描かせたら 本当に凄いと思う。読んでいると眞杉静枝と言う自己継承欲求の塊の女流作家が息づかいも感じる程 側で絡みついて来る。 私を見て、感じて、忘れないで、、と言ってる感じ。宇野千代、林芙美子、になりそこねた、躁鬱でヒロポン中毒の艶っぽい女流作家がいた事を初めて知った。それにしても、あの時代の奔放で行動力のある女性達は凄いなぁ。今の時代、匹敵する日本女性はいるのだろうか
2016/08/06
kemi
こんな女性の生き方もあるのかと思った。
2016/10/10
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