残り全部バケーション (集英社文庫)
残り全部バケーション (集英社文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
両端を比較的しっかりした構成の作品で固め、中の3つは緩やかなつながりを持った連作短編集。いずれも、絶対にないかとは言えないものの、およそ起こりそうもない設定の物語群。エンターテインメントに徹していて、作家自身も大いに楽しんで書いていたのではないだろうか。また、いずれの物語もエンディングには余韻を残す工夫がなされている。あえて1作を採るなら、表題作の「残り全部バケーション」、荒唐無稽な面白さでは「タキオン作戦」か。
2018/04/14
ehirano1
伊坂さんの作品だから、この辺はきっと“伏線”だろうな、と思って読み進めるもなんだか違うような気がしたかと思ったらそうでもなかったりそうであったりと散々踊らされた挙句最後にやっぱりやられるという始末・・・・・しかし相変わらず読んでいて楽しいですね。
2017/07/15
射手座の天使あきちゃん
「問題児」に「答え児」、「飛んでも8分、歩いて10分」、「残り全部バケーション」なんて言葉選びのセンス もうサイコー!(笑) 伏線回収は流石の貫禄だし「伊坂幸太郎」なーんも言うこと無しですね!! (^_^)v さいごのメール焼肉屋のメルマガだと笑っちゃいますけどね <(^_^;
2016/03/25
やな
完全にやられた。程よい読後感でした。
2016/02/13
fukumasagami
「岡田さん、何してる人?」 「さっきもお父さんに訊かれたけど、今日、仕事をやめたばかりなんだ」 「無職?」 「そう」 「駄目じゃん」 「駄目じゃないよ。明日から、もう俺の人生、残り全部、バケーションみたいなものだし。バカンスだ」 「意味分かんないだけど」早川沙希はきょとんとしていたが、そこでようやく俺を見上げるようにし、「バケーションってのはいいね」とにっと笑った。「わたしもそうしようかな、残り全部バケーション」 悩んだ末に、俺は正直に言った。「百年早えよ」
2016/08/01
感想・レビューをもっと見る