おいしいおにぎりが作れるならば。 「暮しの手帖」での日々を綴ったエッセイ集 (集英社文庫)
おいしいおにぎりが作れるならば。 「暮しの手帖」での日々を綴ったエッセイ集 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ユメ
日々ついタスクを詰め込む方向に走りがちな私にとって、松浦さんのエッセイは、それこそ一杯のお茶のような、心をほっと引き止めてくれる効果があるなと思った。この本には、暮らしに直接取り入れられるような教えもあり、心の有り様について考え直すヒントもある。「良いものとは、必ずささやかである」という一文があり、我が意を得たりと嬉しくなった。「ささやか」は私にとって褒め言葉である。何かモノを、使い込めば使い込むほど、それは日常に馴染んで「ささやか」になっていくのだと思う。ささやかで、ていねいな暮らしがしたい。
2016/01/28
橘
松浦弥太郎さんの文章にはいつも心を正されます。今回も、松浦さんの真っ直ぐな姿勢や考え方に、少しずつでもこうありたいと思わされました。人との付き合い方、仕事に対する思い。いつまでも、考えたり感じたりすることをやめないでいたいと思います。何度でも開きたい一冊に、この本もなりました。
2016/01/21
Eee
知り合いからの紹介で読みました!弥太郎さんの日々を綴ったエッセイです。雑誌のあり方や失敗との関わり方、前よりも後ろを大切に、あたりまえのことなど、弥太郎さんが思い、考えたことが連なっています。あたりまえのなことをあたりまえにこなす難しさと大切さ。日々を丁寧に過ごすこと。健康管理をきちんとすること。どれもあたりまえで、誰にでもできること。しかし、私たちのどれくらいの割合の人ができているのでしょうか?読むと日々を大切に丁寧に過ごそうと思える1冊でした。
2016/06/05
橘
再読でも、背筋がぴんとしました。犬のジョンの思い出はとてもあたたかくて素敵なエピソードでした。切なくなりました。花森安治さんの「二十八年の日日を痛恨する歌」は、この8月に読めて良かったです。今の暮らしやこれからについて、改めてきちんと考えようと思いました。「知る」と「考える」のバランスをとりながら、しっかりと自分も見つめていきます。
2018/08/04
rigmarole
印象度B。コロナ禍の下での自粛生活に静かな潤いを与えてくれた一冊。よくもまあこんなにと思う程に話題が多岐に亘り、著者の関心の広さに脱帽しました。この貪欲な好奇心が彼の人生を充実させていることがよく伝わってきます。ただ、国語的にもたまにおかしかったりして、いわば「脆い」文体と言えます。またアナロジーや比喩に無理があり、いかにも読者を暗示にかけようとする魂胆も見え見えで違和感を持つことがありますが、前向きに思考する姿勢には好感が持てました。従って説得力はないものの、情緒に訴え、心に染み入ってくる文章でした。
2020/05/22
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