天切り松 闇がたり 5 ライムライト (集英社文庫)
天切り松 闇がたり 5 ライムライト (集英社文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
これも、陰陽師と同じく14年初頭に出ているハードカバーで読んでいるのですが、手元に残す本は文庫本なので購入しての再読です。浅田さんの作品のなかのシリーズでは現在も続いているもので大好きなもののひとつです。6作がおさめられていていつもどこかでほろりとさせてくれるのが浅田節ですが今回も健在です。とくに表題作が映画の好きな私にとっては一番の作品だと感じています。
2016/10/17
kinupon
もっとこのシリーズが続きますように。粋でいなせな主人公とそれを取り巻く多士済々な人たち。誰もが主人公にとして生き生きと描かれています。
2018/01/31
佐々陽太朗(K.Tsubota)
全六夜の闇がたり。私の好みは「第二夜・月光価千金」。振袖おこんがめったやたらとカッコイイ。安吉への思い断ちがたく、切ない。ふたつめ「第四夜・薔薇窓」。浅田氏が描く薄幸の女性は、いつだってそっと抱きしめたくなる。あぁ、もう目頭が・・・。さらにもう一つ「第五夜・琥珀色の涙」。こいつはもうダメです。通勤バスの車中でウッ!っと唸った瞬間、涙がボロボロ。かろうじて嗚咽をもらすことだけはこらえたが、溢れる涙を止めることは出来なかった。いつものことだが浅田文学への心地よい(しかし少々みっともない)敗北でした。
2016/12/23
いこ
「天切り松シリーズ」最終巻である。読み終わるのが勿体ない程、良い話ばかりである。この本が最初に出てから丁度十年経つけれど、浅田次郎さんには是非とも続きを書いて頂きたいと切に願う。「松公、これがせんに話した、れえむれえとだぜ」これは「ライムライト」のことを言っているのだけど、話している優しい兄ィの心を考えると、この変な江戸弁に泣かされる。どの巻でも、こんな江戸弁と、かっこいい男女の粋な振舞いを、思う存分堪能させてくれた浅田さんには感謝しかない。恐らくこの本は、私の人生の中で何度も読み返す本になるに違いない。
2024/06/29
たいぱぱ
水谷豊さんのあとがきによると「『天切り松』は僕の宝」と浅田さんは語ったそうだ。シリーズ五巻を数えても、浅田さんの宝は衰え知らず。僕を含め現在ほとんどの人が忘れ去ってる「義理と人情」そして「俠気」を堪能しました。これらの言葉はこの物語の為にあるのでは?と思うくらいに胸の奥に物語が染み込みます。一生に一度でいいからこの俠気を誰かの為に示してみたいもんです。でもそう思ってる時点で俠気じゃないか(笑)。チャップリンと五一五事件がこんなの密接な関係にあったとは全く知りませんでした・・・
2020/09/02
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