嗤う名医 (集英社文庫)
嗤う名医 (集英社文庫) / 感想・レビュー
扉のこちら側
2018年194冊め。ブラックな雰囲気ではあるがブラック過ぎない短編集。「哂う」の字面がぴったりの雰囲気である。他人が嘘をついていることがわかる医師が母校の教授選に巻き込まれる話と「至高の名医」が面白かった。教授戦はこれでもあっさり描かれていると思い、苦笑い。
2018/06/19
Aya Murakami
ナツイチ2017、ナツイチ2018 愛ドクロの変態性はビックリでした。コンビニとかの隅に置かれている18禁イヤラシ小説ではないですよね?な雰囲気でした。妖女の頭蓋骨触るだけで飽き足らず墓荒らしまで…。たぶん墓荒らしの目的が副葬品だったなら主人公は異物あつかいされなかったでしょう。せいぜい犯人扱いくらいですんだでしょう。
2019/02/21
ケンイチミズバ
最近の医者は信用できない。女性を酔わせ乱暴した事件など医者に限ってそんななんてことも多い。美容整形に失敗し傷ついた患者への言動が酷い。存在自体があり得ない。難しい手術が続き息抜きで簡単な手術を受け持った。開くとシリコンが分散して注入されていて除去がめんどくさくて乳房そのものを切除したなんて。物語にリアリティを感じたのはドラマの影響などでなく著者の実体験もあるからだろう。至高の名医が良かった。これだけで長篇ができそうなくらい含みが深い。人が丸くなるのは我が身にも失敗や後悔する出来事を経験してこそなのだ。
2017/02/22
りゅう☆
いつか自分にも訪れた時は知らぬがホトケでありたい『寝たきりの殺意』、医者として男として卑劣な行為に怒り心頭だったが納得の結末な『シリコン』、『至高の名医』と呼ばれるほどだけど、ちょっとした気の緩みに悩む姿が可愛く思えてきて、これほど頭蓋骨を愛する徹底ぶりにある意味称賛な『愛ドクロ』、『名医の微笑』を維持のため他の久坂部作品でもグロ表現あったけどSM描写のグロさに驚き、嘘を見抜く力を借り不正を暴こうとしたが真実より情が優った『嘘はキライ』。どの名医もブラックだけでなく、ユーモアと優しさありきで楽しく読めた。
2018/01/17
青蓮
ナツイチ2017より。現役医師による医療ミステリー短編6編収録。どの作品も人間の「裏の顔」が不気味に垣間見え、思わず背筋が寒くなる。「寝たきりの殺意」は将来誰もが陥りそうな状況で病気と雖も恐ろしい。「愛ドクロ」は骨好きには堪らない。主人公に妙にシンパシーを感じてしまう。私も「ホネホネ大行進」参加したい。1番のお気に入りは「名医の微笑」。誰にでも優しくて優秀な医師の知られざる本性が描かれた本作はとてもグロテスク。こう言う秘密倶楽部に地位の高い人が連なる理由が何となく解ってしまう。興味本位で私も潜入してみたい
2017/08/29
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