はじめてのルーヴル (集英社文庫)
はじめてのルーヴル (集英社文庫) / 感想・レビュー
アキ
20歳の時はじめてのルーブルで、グランドギャラリーのドラクロワ「自由の女神」とダヴィッド「ナポレオンの戴冠」に圧倒された。サモトラケのニケやモナリザも記憶に刻んだ。齢を重ね知識を蓄えるとヒエロニムス・ボス、シャルダン、ティツイアーノなどの絵が気になる。レオナルド・ダ・ヴィンチと同時代に活躍したボスは30点程しか残されておらずそのほとんどがフェリペ4世の収集でプラド美術館にあり、ルーブルには「愚者の船」のみある。絵画が示す隠喩と画家の人生を紐解くのも愉しみのひとつ。本書は絵画鑑賞のお供に気軽に読める入門書。
2022/09/07
ハイランド
真剣に見たら何ヶ月かかるかという巨大美術館ルーブルを「怖い絵」の中野京子が、初心者のためにこれだけは見逃すなという名品を紹介。と言っても中野氏のこと、ちょっと皮肉な解説が作品の背景、隠された事実を明らかにする。王家の肖像など、人物の事績や描かれた背景を知らなきゃ、ただのコスプレしたおじさんおばさんの似顔絵としか思えない。中でももっとも衝撃的だったのは「マリー・ド・メディシスの生涯」あの壮麗な「マルセイユ上陸」が虚飾と捏造だったとは。コロナが落ち着いたらいつか行きたい美術館だが、猫がそれを許さないだろうな。
2021/08/30
扉のこちら側
2018年187冊め。絵を鑑賞するのは好きだが、題材や制作の背景にまで気が回らないタイプである。今後も美術館に足を運んでは「これ好き」「これ綺麗」程度の鑑賞を続けるだろうけれど、こういった本を読むのもまた好きなのである。作中の作品としては『アヴィニョンのピエタ』についてのトリミング話が印象的。
2018/06/18
rico
中野京子さんによるルーブルのガイドブック。「これは見るべき」的な名画を押さえ、展示場所の案内図なんかもあって十分実用的。とは言え中野さんらしく、一般的な説明から10歩くらい踏み込み、歴史や社会情勢、描かれた人物や画家自身の人となり、神話や伝説等々、絵の背景にある多彩な逸話を展開。さえない女王の人生を盛りまくり、壮大な絵巻に仕上げたルーベンスとか、神の使いの天使がキューピッドと同じ姿形で描かれたから何だかわからなくなったとか・・・、思わずニンマリしてしまう。ずいぶん前に行ったルーブル、もう1度行きたくなる。
2019/09/17
栗羊羹
今まで絵画は、なんとなく眺めるもので、美術館を出た時、あ~いい時間を過ごしたな…でした。でも、予備知識があると違います!今まで全く知らなかった視点から観ることの楽しさ、ワクワクをこの本は教えてくれました。
2016/10/31
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