岳飛伝 5 紅星の章 (集英社文庫)
岳飛伝 5 紅星の章 (集英社文庫) / 感想・レビュー
W-G
岳飛と兀朮の、意地の張り合いのような戦が前巻から長々と続き、長刀隊以降は目新しさもなく、ややうんざり。二度三度と読み返した時に気づける良さがあるような気もする。秦容の南方開拓や、韓成の西方進行パートは面白い。韓成の今後はかなり興味を引かれる。一方、笛で女を口説こうとして見事に撃沈した王清が、今度は不倫に手を出していた。王進先生は天国でどんな気分でいるのだろうか。しばらく蔡豹が出てきていないので、予想外の熱い展開が用意されているのではないかと期待してしまう。次巻ではいよいよ岳飛の史実と交差しそう。
2022/02/23
しんごろ
岳飛と兀朮…。男が、これこそ理想という関係で憧れるであろう、ライバルを超えたライバルの向こう側に突き進んだ。二人が突き進んだそこには邂逅という言葉がピッタリだ。そして、戦場を仕事にする漢達から、散々、煙たがれてたあの漢。方臘戦の後、吹っ切れ、達観したようなあの漢が…。聚義庁で文官として立派に戦ったよ。まさに智多星だった。秦容、ついに成果をあげて収穫できた。交易が一気に加速しそう。史進よ!哀しみを持って前に行け。日本も絡んで、どうなるんだ。続きが気になるぜ!
2019/06/28
眠る山猫屋
息詰まる岳飛とウジュの死闘に決着が着く。国と国の戦争なのに、個人的な死闘でもあった戦は時間切れとも云うべき結末を迎えた。ふうっ。各々の陣営のキャラクターたちが輝きだしてきたので、死者がでなかったことが嬉しいくらい。若手も成長してきたなぁ。幕間的な南方開拓団にほっこりさせてもらう。梁山泊では呉用の死を迎え、死者たちの思い出が語られるが、特に武松!武松を筆頭に読み返したくなってしまった。そして王清。虚無感なの?幼い鄭涼を連れてどこへ行く・・・。
2018/12/27
アルピニア
金(兀朮)と南宋(岳飛)の緊迫した戦いが続いていたが、両国の宰相の思惑により南宋軍に帰還命令が下される。岳飛は残り、兀朮と対峙するが・・。岳飛と劉光世の会話が印象的だった。「哀しみを感じる人間だけが、闘うことを許される」「信じるものを大義だなどと思うな。成就してはじめて大義と呼べる」「人の誠は世のありようによっても、変わる」。南では、ついに秦容達が甘蔗糖の大量生産に成功する。そしてとうとう巨星が消滅した。雨の中、刀を振る史進の哀しみが胸にしみる。巨星の最期の言葉が今後の展開を暗示しているようで重い。
2021/09/18
ポチ
岳飛と兀朮の戦人としての意地や誇りを賭けた戦いが幕を降ろした。ふぅ〜、肩が凝ったなぁ。秦容も甘蔗糖が出来て、これからが楽しみだね。
2022/03/21
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