夢のなかの魚屋の地図 (集英社文庫)
夢のなかの魚屋の地図 (集英社文庫) / 感想・レビュー
けぴ
決して堅苦しいというわけではないが浮ついた感じのない硬派なエッセイ集。井上荒野さん自身やその母親が料理好きで日々丁寧に生活していることを感じた。荒野(あれの)はペンネームではなく本名であるとのこと。この名前が硬派にするのかもしれない。妹は直木賞受賞作名と重なる切羽(きりは)。姉妹揃って個性的な名前なんですね。
2023/08/26
りつこ
面白かった。井上光晴のドキュメンタリーを見たことがあったので、余計に面白かった。あんな強烈な人が父親だったら家族はどんなに大変だっただろうと思っていたが、案外冷静に?受け入れてるように見えて、それはお母さんに依る所が大きいように感じた。食べることへの意欲が凄くて、読んでいていろんなものを飲み食いしたくなった。
2017/05/15
Eee
初読みです。面白かった 独特の文体で謙遜される人柄がにじみ出ていて とても面白かったです 「人生に必要な3つのもの」はそうだそうだと大きく首を縦にふりました 酒豪の家族のこと、小説家の父のこと、魚好きの母のこと とある家庭の台所にあるダイニングテーブルが目の前に浮かんでくる作品でした
2017/08/20
しん
かなり感覚的なんだけど、エッセイというものは、そのタッチが好きか嫌いかで、分かれてしまう。井上荒野さんのこのエッセイ集は、好きな部類だ。もっと読みたいと思った。でも、このエッセイ集はどうやら24年間のエッセイをまとめたもの。と言うことは、次のエッセイ集が出るまで、24年くらいかかるということなので、待ち遠しい気持ちになってしまう。「手帳」というエッセイが好き。手帳が好きだからかもしれないけれど、何度も読み返してみました。
2017/09/02
波多野七月
「この人のエッセイ、好きだな」と瞬間的に感じる作家の小説とは、まずたいてい相性がいい。たまたま手にしたこのエッセイで、井上荒野さんのファンになってしまった。作家である父を持ち、28歳で自らもデビューしたもののなかなか次の作品を書くことができず、40歳で小説家として再び書きはじめる著者。本のこと、食べたもの、家族のこと、愛すべき猫のこと。誰もがよく見知っている、日常への細やかなまなざしに著者の人柄がしのばれる。届いた手紙を、ゆっくりとひもとくように楽しんだ。直木賞作家、井上荒野のエッセイ集。
2017/05/23
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