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教団X (集英社文庫)

教団X (集英社文庫)

教団X (集英社文庫)

作家
中村文則
出版社
集英社
発売日
2017-06-22
ISBN
9784087455915
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教団X (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

初出誌が「すばる」への連載であったことといい、作家ご本人は純文学を書くという意識が強かったと思われる。参考文献もそれ相応に準備されていることからもそれが窺える。しかし、結果からみれば、これはやはりエンターテインメント小説である。全体の長さは、すなわち文体が饒舌であることを明かしているし、描かれたカルト集団も現実のそれの持っていた迫力に遠く及ばない。また淫祠邪教めいた宗教儀礼(?)も確たる教義を持たないだけに遊離してしまう。畢竟はエロスとタナトスの2元論を拡大して見せただけというのは、酷評に過ぎるだろうか。

2020/05/10

bunmei

当初、単なる宗教集団の内幕を暴くものと思い手に取りました。しかし、読後、あまりにも膨大な内容に、自分の頭の中では、消化しきれずため息を吐いてしまうほどでした。原子物理学から始まり、宇宙創生、宗教、経済、戦争戦犯、国際情勢、テロ問題から医学まで、中村文則という人の頭の中で、これらの様々な専門分野が理路整然と関連付け、展開していく様は脱帽です。正直ついて行くのが精一杯だった。そして、SEXの濃密な描写にも性感が奮い立たされるものがありました。最後の芳江さんの説法によって、幾ばくかの救いとなった思いです。

2017/08/19

ehirano1

#キタコレ。#とにかく楽しかった。#「教祖の奇妙な話」になぜか否定できずに、ヤバイ。もう少し話を聞きたいとさえ思う。#松尾正太郎、怪しい宗教の教祖とは思えない。本書は、『松尾正太郎の物語(自叙伝)』といっても過言ではない。#松尾正太郎のような最期を迎えたい。#エロイwww。#著者の勉強力に感服!参考文献、特に宇宙や量子のところは容易じゃないよ。#またいつか、きっと。

2023/12/05

トンちゃん

評価がきっぱひ割れている作品。レビューは読後に見ましたが、悪文、性描写が下品という点に強く同意。また、政治論や戦争論のような話を頻繁に出してくるのですが、唐突感が否めず、このタイミングでこんなこと語る?という疑問が終始ぬぐえませんでした。 ここまで性描写を描く必要がなさそうだし、なければもっとスッキリと読めたのにと思いました。 でも、海外でも評価されてる作家さんなんですよね。 中村氏の著書で初めて読んだのが教団Xだったので、有名な作品からもう1冊チョイスして読んでみようかなと思います。

2020/05/14

扉のこちら側

2018年212冊め。数か月前に読了していたが登録を忘れていた。宗教や政治、貧困問題や性、果ては宇宙へまで話が飛んでいく。この話は本筋に関係あるのだろうかと読みながら疑念を抱いてしまう当たりは日本を舞台に描かれた翻訳小説の趣きである。時間を置いて再読してみたい。

2018/06/25

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