謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫)
謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
私たちがほとんど知ることのないソマリアからの現地レポート。そもそもソマリアについて日本語の文献は極めて希少であるし、英文の学術書はあるものの、こうして自ら現地に滞在した、いわば体当たりの取材記は本書が唯一なのではないだろうか。ソマリランド、プントランド、南部ソマリアの諸地域を網羅した貴重な記録。しかも、単にこの地を踏査したというのではなく、相互の関係性やソマリ人社会の特殊性に対する分析的考察も行っている。高野秀行は今やCIAをはじめとしたどんな国際機関よりもこの地を知り、人脈も築いているのではないか。
2023/05/30
遥かなる想い
第35回(2013年)講談社ノンフィクション賞。 無政府状態が続く ソマリアで 十数年も平和に暮らすソマリランドの不思議を 取材した作品である。 未確認国家ソマリランドを巡る冒険 …著者の無類の探検好きが 文体に踊り、 大変楽しい。民族対立を 源平の戦いに なぞらせながら、著者も 我が道を行っている、 そんな作品だった。
2018/07/23
はっせー
ソマリランドを知っている人はいるだろうか。この本を読んだことある人以外で知っている人がいればよほどの国マニアと言っても過言ではない。ソマリランドはソマリアの中で唯一と言ってもいいほど平和な独立国である。ソマリランドについての話はとても驚きの連続である。ホテルには無線LANがあり、ネットカフェもある。朝御飯にカフェに行くとマキアートが飲める。そんなバカなと思ってしまうが事実らしい。私たちはやはりフィルターをかけてこの世の中を見てしまうことがわかった。高野さんの文章力もすごく笑いが絶えない作品となっていた!
2020/10/21
岡本
この本を手に取るまではソマリアをただの無法国家だと思っていた。しかし今では知人の誰よりもソマリアに詳しくなったといっても過言ではない。解説にもある様にノンフィクションながら笑える要素が多く、比較的厚い本書も飽きる事なく読み進める事が出来た。多くの人にこの本が読まれ、ソマリランドを知る人が増えることを願うばかりである。
2018/12/12
Aya Murakami
昨日、病院の待ち時間に読み終わった本。 ソマリランドと台湾が仲が悪そうというのは意外なイメージでした。この辺じっくり調べてみたい。 植民地支配によって国内のシステムが壊されたことが原因で無政府地帯になってしまったのですね…。間接統治よりも質が悪いシステム破壊…。よく覚えておきます。
2018/01/30
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