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銀河鉄道の彼方に (集英社文庫)

銀河鉄道の彼方に (集英社文庫)

銀河鉄道の彼方に (集英社文庫)

作家
高橋源一郎
出版社
集英社
発売日
2017-08-22
ISBN
9784087456257
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銀河鉄道の彼方に (集英社文庫) / 感想・レビュー

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優希

宮沢賢治の雰囲気をふわふわさせながら、その世界に留まらない不思議な感覚を味わいました。宮沢賢治の作品が感じる世界だからかもしれません。宮沢賢治へのオマージュとも言える大胆な物語。著者の感性を楽しみました。

2023/04/18

踊る猫

なかなかこの陶酔感は只者ではないと思う。読みながら、自分自身が「常識」としている認識それ自体がぐにゃりとゆがんでしまいそうになる。宮澤賢治へのオマージュというより、ぼくが思い出したのはむしろ藤子・F・不二雄や永井均が突きつけてきたすぐれたアナザーワールドの数々で、過去にそんな思想家のフィクションを読みながら「『ぼく』とは誰だろう」「なぜ世界はこうなのだろう」なんてあれこれまったくの徒手空拳で考え抜いたことを思い出させられる。つまりは過去の高橋源一郎作品が持つ「子ども」の部分がより濃く煮詰められた一大問題作

2023/08/10

田氏

ことばは、「ある」が「ある」ことを無条件に前提する。そして、「ある」もまた、示されるためにはことばに依るしかできない。循環参照なのか、ひとつの円環であるのか。ことばがなくなっていくとき、または「ある」がなくなっていくとき、なにが■■■のか(これは原理上、ことばで示すことができない)。この本は、ことばを見つめ考えつづけてきた著者の思弁の、なにかひとつの到達点であるように思う。作品を跨ぐ通奏低音である衰えや滅び、消滅の寂しさも変わらず響いている。そして消滅の事実は、消滅しなかったものによってしか記述できない。

2024/11/13

小豆姫

尿管結石で緊急入院中。病院の本棚にあったとりわけ分厚い本。いやーっすごいすごい。宮澤賢治ワールドをただよわせつつも、その枠を時空もろともズキューンっと飛び越えて宇宙の果てや人の想念や魂の境地まで、めくるめく言葉の渦に呑み込まれ広がり拡散してゆく。哲学的でもある。トリップして体外離脱して… 久々の楽しい読書体験でした。

2021/05/30

ちぇけら

ぼくはここにいる。ここにいるぼくは、ぼくだ。ほんとうに?さて、ここで問題です。『ほんとう』ってなに?どうなれば、それがほんとうに『ほんとう』だと言えるの?ぼくはこの物語を読みながら、たくさんのことに慎重に耳を澄ませた。失われてしまったもの、忘れてしまったもの、これから失われてしまうもの、これから忘れてしまうもの、そうした『すべて』を意識した。ぼくとぼくでないものの間を走り抜ける銀河鉄道、ジョバンニが見た深い闇。ぼくは誰なのか。なんのためにここにいるのか。銀河鉄道は、ぼくらを乗せて宇宙の根源へと向かう。

2018/09/03

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