コースアゲイン (集英社文庫)
コースアゲイン (集英社文庫) / 感想・レビュー
禅
「ハンカチ、いつも麻なのよね」 「あ、まあそうだ」 「唾を吸うと、硬くなるの。そういう感じが好きだったわ」 (『三年後』より) え っ っ っ ろ い …!! 比喩をほぼ用いない文体でありながらも、脳裏には鮮やかにシーンが浮かぶ。無駄のないキレッキレのセリフたち。 「自分の命を、食い荒らす。そんな自虐的な気分が、どこかに漂っている」 「言葉と同じね。使う人間が錆びついていれば、それは錆びついているってこと」 あ、ハンカチをどう使用したのかはぜひ本編でお確かめください。
2021/04/30
ma-no
北方先生ご本人を思わせる作家の酒池肉林の日常をスケッチした掌篇連作です。若い愛人を何人も侍らせ、生意気な小僧をとっちめる、昭和の男のドリーム小説……磨き上げられた文章はさすがです
2019/08/07
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