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アポロンの嘲笑 (集英社文庫)

アポロンの嘲笑 (集英社文庫)

アポロンの嘲笑 (集英社文庫)

作家
中山七里
出版社
集英社
発売日
2017-11-17
ISBN
9784087456615
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アポロンの嘲笑 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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SJW

中山さんのギリシャ神話シリーズ第1彈。3.11の東日本大震災の5日後、福島県で殺人事件が起きる。被疑者はすぐに確保されるが、主人公の一人、仁科忠臣が移送する途中で逃走されてしまう。本作品の大半は追う者と追われる者の視点から描かれているが、大震災後の生々しい描写や、腹立たしい政府や東電の無責任な対応の細かい描写もあり、当時を思い出してしまった。被災者にとっては読むのが辛いかもしれない。あの時に持っていた東電株の価値は半分になり大損したことを思い出し腹立たしくなったが、被災者に比べたら、僅かな損失

2018/11/27

やっちゃん

読み始めから食いつきよく一気に読ませるのはさすが中山七里。アクションシーンが多かったが犬との戦いは辛すぎる。寒さ飢えに苦しむ姿は山岳小説小説さながらで良かった。小説ながら東日本大地震を振り返ることができるのもよかった。

2022/09/30

りゅう☆

東日本大震災直後に殺人事件が。犯人は被害者純一の妹の婚約者加瀬。逮捕するも被害者家族の言葉に違和感を感じた仁科。そして余震が起った隙に加瀬が逃亡。そこから空腹と寒さに加え、地震と放射線の恐怖と対峙する逃亡劇が始まる。加瀬はなぜ逃げ、どこで何をしようとしてるのか?震災直後の生々しい現実、原発への醜い責任逃れに終始眉間に皺が寄る。また加瀬の不運な日々、純一の不幸な転落に心が痛む。やっと裕未との人並の幸せが見えてきたのに…。護りたいものができたと、命を懸け懸命に突き進んだ加瀬の覚悟と誇りに胸がいっぱいになった。

2019/01/05

ぷう蔵

なるほど…、アポロンの嘲笑かぁ。ミステリー部分とドキュメンタリー部分(と思われるが、どれだけ真実に近いかは分からんですが。)の描写が繰り返される。中山氏、今回はドキュメンタリーらしき部分に力が入っている。日本はあの日パンドラの箱を開けてしまった。しかしそこには希望の光がかすかに残っていたはず。我々は神々がくれた最後の希望を育てているのだろうか。多くの犠牲、耐え続けている者を教訓として作り上げる新しい日本はあまりにも脆弱ではなかろうか。日本から希望の光が消えていく…、今、冥王ハーデスが高笑いを始めた。

2018/06/02

タイ子

社会問題の背景とミステリーと融合させてどんでん返しを持ってくるのを得意とされてる七里さん。今回は東日本大震災と福島第一原発の問題をリアルに描き、小説としてのフィクションもありで楽しめました。震災と原発をテーマにその怖さを輪に掛けたようにコレを持ってきた作者の意図を知りたくもなりましたが。震災後の第一原発に対しての政府や東電の対策が明らかになった後に書かれているので、その文章が国民の言葉を代弁してるようで改めて腹立たしく胸が痛くなるような思いで読了。小説を通して忘れてはいけない被災の事実を改めて認識した作品

2018/07/05

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