チャンミーグヮー (集英社文庫)
チャンミーグヮー (集英社文庫) / 感想・レビュー
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沖縄空手の喜屋武朝徳を基にしたノベライズ。沖縄に古くから伝わっていた「手」が、戦前戦後でどのように学ばれて、どのように伝えていったかがよくわかる。また空手道場を主催している筆者だけあって、格闘シーンでも、細かい技の動きのリアリティさがあるだけでなく、精神的なところまで書かれていて面白い。後年名人と呼ばれる人も若いことは道に迷ってグダグダしているところは、小説的には中だるみではなるが、リアリティがあって小説とは違う面白さを感じた。空手は身体性を伴った文化だし、時代・生活とともに歩んでいくんだなと再確認。
2023/11/12
よしお
実在の人物をモデルにしたお話。作者の武道のお話、好きだなあ、
2018/07/30
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少林流の祖である喜屋武朝徳の話。今野さんの空手塾も、この流派になるのかな?他の今野さんの沖縄空手の作品に比べ、格闘シーンは少なかった。でも今野さんのこの作品に対する情熱がひしひしと感じられた。沖縄空手をやってみたくなってしまった。面白かった。
2017/12/04
黒い鴉
琉球空手の祖の1人、喜屋武朝徳先生の物語。同じ著者の「義珍の拳」と共に伝統空手を習った経験のある人にはとても面白く、興味深い読書なのではないか。特に「型」の存在。誰もが1度は思う、型とは何か、どう使うのかという問いへの考察は、まるで教本の様に夢中に読んだ。また琉球空手では必ず言われる「ガマク、ムチミ、チンクチ」の解説ともなる場面も面白かった。そして何よりも、無口で厳しいながらも深く結びついていた朝徳先生と父、一目惚れしてしまった屋良伝道の娘だった妻、愛娘との各場面は本当に素敵で、本作を深くしていると思う。
2018/07/13
錯乱坊
空手家今野敏の空手家(実際には手(ティー)の大家)をモデルとした時代小説の1つです。この時代のティーの実態についてはほぼ失伝しており作者の想像がかなり含まれていると思われますが、如何にもそうだったのかと思わされる説得力があります。今野先生は長年この失伝した首里手・泊手系(胸を張って、拳を腰に取る姿勢の空手。那覇手系は猫背で拳を胸前に取る姿勢が基本)の古伝空手の復元に努められているので、その成果が表れているのだと思います。
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