室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君 (集英社文庫)
室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君 (集英社文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
同時に2人の天皇と2人の征夷大将軍がいたという稀な『室町南北朝時代』南朝後醍醐天皇正統の透子と、足利尊氏正統で後に南北統一を果たす足利義満を主人公に据え、脇を楠木正成の息子正儀や『能』の創始者観阿弥達が固める贅沢な布陣!お転婆世間知らずな13才透子は、南朝の平静を取り戻すべく動く。無策無疑ゆえに人攫いに襲われ宿敵北朝に囚われる。敵地で様々な人と出会い、話を聞く内、本当に南朝が善で北朝が悪なのか、大切にすべきことは何なのかを考える。義満や観阿弥、男達が魅力大!瑞々しい筆致で描く室町時代、大変楽しめた‼️🙇
2020/05/25
あきぽん
ナツイチ2018より。みんなが知らないけれど実は知りたい、中世日本を舞台にした小説。主人公達が10代の設定でラノベっぽさもあるけれど、楽しく読んでいるうちに南北朝~室町時代の複雑な時代背景がすっと頭に入ってきておすすめ。軽さと重厚さが絶妙にブレンドされた作品。中世日本を描いた面白い作品、もっと増えて欲しい。
2018/09/20
aoringo
南北朝時代、後醍醐天皇の孫娘である姫宮が裏切り者を追い少年に変装して京へと乗り込む。しかし早速人さらいに捕まってしまうが観阿弥親子や、足利義満に偶然助けられる。彼らと接することで南朝で聞きかじっていたのとは違う現実を目の当たりして、実際に見て感じることによって成長していく姫宮の心の成長がまぶしかった。透子、鬼夜叉、義満、どのキャラも好き。面白かった♡
2020/05/17
chantal(シャンタール)
室町時代を舞台とした作品は少ないよなあと思い手にした本。一昨年読んだ「私本太平記」の続きのような内容だったので、それはそれで面白く読めたのだが、全体的にマンガチックな感が。解説によると作者はコバルト出身でマンガのノベライズ等を手掛けていたそう。それにしても主役の南朝の皇女がいくら世間知らずとは言え、なんだかもう白痴過ぎて、全く感情移入出来ないが、観阿弥や将来の世阿弥である鬼夜叉、一休さんでのイメージしかない将軍さま、足利義満の美男子ぶりに心ときめかせながら読んだ。やっぱりマンガが良かったんじゃないかな?
2021/09/14
エドワード
南北朝時代は社会や人々の心のあり方を根底から変革し、現代へと続く時代だ。力のある者が支配する下剋上は江戸、明治以降も続く。御醍醐天皇の中興は志に誤りは無いが、政策が時代錯誤だったために二帝並立を招く。天の道を説く者は徒に戦を主張し、内乱の愚かさを知る者は和平を目指す。この時代を背景に、北朝に与する楠木正儀を翻意させるべく、吉野の皇女・透子内親王が京へ赴く冒険物語。青年足利義満、観阿弥一座との出会い。スリリングな筋運びで難解な南北朝を解きほぐしてくれる。逆賊史観を改めた所で本当の中世の姿が見えて来る。
2018/02/03
感想・レビューをもっと見る