パーフェクトワールド 下 (集英社文庫)
パーフェクトワールド 下 (集英社文庫) / 感想・レビュー
starbro
上下巻、1,100P弱、一気読みしました。馳星周ワールド炸裂で著者的にはパーフェクトですが、本書の物語の世界は、デストピア的で、全くパーフェクトではありません。沖縄返還前夜で『熱』、『欲』、『性』が妖しく蠢く危険で破滅的な世界でした。この流れが、現在の沖縄でも続いているのかも知れません。【読メエロ部】
2018/06/15
Tsuyoshi
沖縄独立のために活動する平良を始めとした若者たちの純真さに対し、公安警察官である大城の非情さや悪徳ぶりが際立っており、取り込まれてしまったエスたちの悲惨な末路を含めストーリーに惹かれてしまった。おそらく初読みの作家さんだと思うが他の作品も読んでみたくなった。
2018/06/05
巨峰
一方の主人公大城が悪虐すぎて!!!弥勒世より終わりはすっきりしてるんだけどねえ。でも、この分厚い本を一気読みしました。主人公がプロの矜持を忘れなかったらもっとよい小説になっていたと思います
2021/12/22
keith
自らの意思で堕ちていく公安の大城。しかし、沖縄は一体誰のものなのだろう。登場人物に誰一人として共感できない。馳星周らしいノワール小説ですがラストがあっけなかった。
2018/08/05
ふう
やっぱり…とため息と苦笑が出るほどの堕ちっぷり。様々な思いに翻弄される女たちを引きずりこみながら、幻の金と思想を手に入れるために突き進む男たち。そして生き残った人間と死んだ人間の差に思いを巡らせるラスト。下巻のこちらも分厚かったけど一気読み。素直に容赦のない血みどろの馳星周を堪能できてよかった。思えばひたすら静かで変わらない古謝の存在が印象的だったかな。すごーく悪意のある言い方するとこういう人が一番始末が悪い気がする。私もきっと中途半端に影響されて真っすぐ斜めに進んでしまう一人だろうから。
2018/06/10
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