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持たざる者 (集英社文庫)

持たざる者 (集英社文庫)

持たざる者 (集英社文庫)

作家
金原ひとみ
出版社
集英社
発売日
2018-05-18
ISBN
9784087457377
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持たざる者 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

4つの作品からなる連作短篇集。もっとも、連作とはいっても、個々の作品同士の内質的なつながりは薄く、むしろ最初の作品が2番めを呼び出し、それがまた3番目の作品へと連想を繋げていくといった構成である。また、最初の3篇の主人公たちは、それぞれに結婚はしているものの、紐帯からは限りなく自由であるようだ。一方、最後の朱里だけはその点で異質であり、結婚(義父母や義理の兄弟夫婦を含めた関係を伴い)が彼女の生活の大半を占めている。また性格的にも他の3人が開放的であるのに比して、彼女だけが内省的である。最後は⇒

2024/02/05

ゆいまある

3.11後、放射能を恐れて移住した人を中心とした短編集。福島に検死の手伝いに行こうとした私には、被爆を恐れて大騒ぎする人の気持ちが解らないし、放射能は怖がるのにタバコ吸って酒飲んで不規則な生活する人の気持ちも解らない。海外暮らしで「人と違う自分」に酔う気持ちも、皆にいい顔する人の気持ちも解らない。震災によって世界が変わってしまった人々。自身も岡山に避難し、フランス移住した作者には事象を客観視する必要があったのだろう。四国にいたからか、私には当事者感が掴めず、ひたすら修人にムカついた。

2022/10/02

ワニニ

震災と私事を一緒くたにするのはどうかと思うけれど、何だかえらく響いた。金原ひとみに解って貰えるとは、思ってもいなかった(知り合いでもないのに失礼)。頽廃的で、マイナス思考で、自意識過剰で、鋭利な感じ(そこが好きだが)だけじゃなくて、彼女の目が、物語が、すごく多面的・多角的になっているというか…。自分の考え・やり方・選択を抗えない何かで覆され、“持たざる”を自覚する。そして、その先に仄かな光が?? 自分自身の解らなさ、長年かけて蝕まれてきたモノを取り戻すか否かさえ分からない今に沁みた。でも金原ひとみ(笑)

2018/06/14

ベイマックス

読み始めて、うっすらと記憶がよみがえり、読んでことあった。再読が苦手で、飛ばし読みしてしまう。◎自然災害について、家族間の心配からくる自己の押し付けや、遠慮がなくなり配慮が足りなくなる、などなど、考えてしまう作品。

2020/04/25

優希

3・11を体験した4人の短編集。震災は普通の生活を奪ったように思えました。壊れた生活は元通りになることはないでしょうね。震災国に生きていることを改めて突きつけられた気分です。

2023/06/05

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