医師たちの独白 (集英社文庫)
医師たちの独白 (集英社文庫) / 感想・レビュー
Masashi Matsuba
子供の頃の文学小説とは別で、自ら選んで読んだ本の始めは「無影灯」。独自のタッチが好きで好んでむさぼり読んでいた記憶がある。中の「四月の風見鶏」を読んで非常に懐かしく感じました。医師から小説家になる自伝的な話と後書き等読むと、小説家にならざるを得なかった葛藤と、生涯後半に医療小説を書かなくなった経緯等書いてある。決して楽な作家生活でも無かったなぁと思える。特に好きな作家だけに、これ以上本が増えないのも残念に思う。
2018/07/11
まつ
著者が医師を辞める経緯を書いた自伝的小説「四月の風見鶏」や生前未発表の作品「祭りの日」を含む短編集。「小脳性失調歩行」のオチの部分や、「聴診器」のコミカルな語り口が良かった。また、「祭りの日」はおむつが取れて間もない娘を祭り見物に連れて行く父親の半日間の話だが、作家である父親の、祭りを純粋に楽しむには不必要な洞察力、想像力が主の作品である。果たして娘は祭りを楽しめたのか。母親と行ったら全然違ったものを見ただろうということが想像出来て面白かった。渡辺淳一は三冊目だが、他の作品もまた読みたい。
2019/01/02
totoroemon
懐かしかった。今読んでも面白く感じられました。
2018/09/15
Ryoko
面白かった。渡辺さんの短編医学ものは好き。たぶん渡辺さんの実体験から書かれたものなので医学的には古いものだけど(淋病とかが出てくる)リアリティーがあり複雑な心理描写も巧み。真面目で浮気なんかしない妻から淋病をうつされ疑心暗鬼になる夫の話、そして脳の重さと知能の関係が書かれたものは特に興味深かった。
2018/07/05
オデッサ
医療ものの短編集。ソフトな語り口でとても読みやすい。最後の未発表作品はデビュー前後に書かれて眠っていたもの。さすがに拙く主題がぼやけているかな。研鑽を積むのは大事だなと思い至りました。
2021/09/19
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