勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇 (集英社文庫)
勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇 (集英社文庫) / 感想・レビュー
しげ
先日、笠谷幸雄さんが逝去されました。札幌オリンピック「日の丸飛行隊」活躍は幼いながら憶えています。駒大苫小牧高校野球部の活躍(2.5連覇)は当時、道民の私からするとそれを超える偉業、事件と感じたものです。優勝フィーバーの裏側で非日常化して行く日々に苦悩する監督や選手、周りの人達の葛藤を知り改めて納得させらました。「甲子園は3年に一度ぐらいで良いんだよ」と老練な常連校監督の言葉が胸に響いた。
2024/05/25
ユメ
駒大苫小牧を夏の甲子園で「二.九連覇」に導いた香田誉士史監督を追ったノンフィクション。相当な取材量を積み重ねる著者の仕事ぶりに感服。後半は本当に読むのが辛かった。監督は「勝ち過ぎた」ことによって高校野球の光も闇も吸い寄せることになってしまったのだ。そして、著者自身の痛みも滲むことによって本書はますます凄味を増す。著者は監督を敬愛しているが、神と祀り上げることはせず、真実を暴く手を緩めはしない。あの夏にどれだけの夢を見たか、その思い入れの深さがこれだけの仕事をさせ、読み手の心にも忘れがたいものを刻んでゆく。
2019/04/19
007 kazu
「雪国は弱い」そんな高校野球の常識を覆し、3年で甲子園の2連覇+準優勝という離れ業をなした駒大苫小牧香田監督の栄光と転落。長い冬、グラウンド練習ができないことがハンディとされる中、氷点下の雪上での練習を敢行、屋内では道具を使わずに守備や走塁のイメージトレーニングを実施。雪国の限界を佐賀出身監督が突き破っていく様は今でいうイノベーションそのもの。「町おこしは若者、馬鹿者、よそ者」と引用しているが全てを兼ねている。が、優勝して嬉しかったのは最初の3分だけ。勝てば勝つほど大きくなるプレッシャー。(続く)
2019/10/31
リキヨシオ
これ本当にあったのか?すごい内容!「北海道の高校は甲子園で勝てない」という常識を打ち破った「駒大苫小牧」は夏の甲子園で優勝、優勝、準優勝の「2.9連覇」を成し遂げた。雪国の常識を打ち破る練習方法、はじめての甲子園優勝、マー君こと田中将大の成長、駒大苫小牧とハンカチ王子率いる早稲田実業との伝説の死闘…若くして高校野球の歴史の残る偉業を成し遂げた駒大苫小牧の監督「香田誉史士」のサクセスストーリーは2.9連覇後の「勝ち過ぎた監督」になった故の副作用により、高校野球の闇を垣間見る怒涛の展開へと変貌する。
2020/05/01
Urso
駒大苫小牧高校で優勝、優勝、準優勝の2.9連覇を成し遂げた香田監督を中心にしたドキュメント。あの盛り上がりの中でこんなにも凄まじい天国と地獄の繰り返しのようなドラマがあったとは。香田監督の人間的な魅力を形成している性格がゆえの苦しみが読んでて辛かったけど、わたしも、この先また甲子園に出る高校を率いてくれないかと期待する一人になりました。
2019/01/30
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