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九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)

九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)

九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)

作家
西條奈加
出版社
集英社
発売日
2018-09-20
ISBN
9784087457865
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九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫) / 感想・レビュー

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しいたけ

ラストの切なさ、爽やかさ。「親の怠惰のつけを、どうして子が払わねばならないのか」。お藤の強さは真の強さ。人であること、女であること。商うということ、恋するということ。一本の幹に密度濃く詰まった物語。

2018/12/12

ふじさん

口入屋「冬屋」の女主人となったお藤。自前で奉公人を仕込み、奉公先を商家へ転換する。この考えに手代頭たちは猛反発、更には江戸の人宿を束ねる「八部会」やお藤の命の恩人で実は中間頭「黒羽の百蔵」とも一時は敵対することになる。しかし、思いもよらない経緯で彼の子どもを産むことで人生が転機を迎える。お藤の口入屋に懸ける強い思いを具現化した独自の人材育成法が本書の面白さの一つであり、お藤の恋の行方も読みどころである。百蔵の波乱に満ちた人生と揺るぎな信念を持ち、己と仲間を信じて突き進むお藤の人生に心を揺さぶられる。

2023/01/07

ぶち

西條奈加さんの小説はいつも面白い!なかなか軌道に乗らない口入屋を任された女性の物語。知恵と度胸でビジネスを切り開いていく様は痛快です。そこに、かつての命の恩人によく似た男との出会い。心が揺れていきます。命を懸けた商いと、運命の恋のゆくえに、胸が熱くなります。物語の語り口調はテンポよく、からりとしていて、じめっとした不快な湿気がありません。ドキドキする場面もたくさんあって、ページをめくる手が止まらずに一気読みでした。次世代に繋がる明るい希望を感じさせるラストシーン。上質な大人のラブストーリーでした。

2023/11/21

papako

祖母のやっていた口入屋を江戸で始めたお藤さん。口入屋も儲けを出して、寄子(雇われる人)も、雇い入れるお店も八方うまくいく、新しいやり方を模索する。出る杭は打たれるけど、助けてくれる人たちもたくさん。口入稼業にお藤さんの恋?も絡めて、江戸のお仕事小説でした。口入屋の親店の増子屋のおかみさん、お品がいい感じでした。でも、他の西篠作品に比べると物足りないかな。ラスト生きてたんかい!と思ったし。ま、お幸せに。

2021/05/08

優希

面白かったです。口入屋に縁あって店主となったお藤ですが、どうも行き詰まっていました。そこで一世一代の大勝負をかけるのが格好良かったです。周囲の反発で江戸を揺るがしてしまうのが凄い。それでも確固たる心情を抱えて人生を切り開いていくお藤に掘れずには入られませんでした。時代劇でよく聞く「口入屋」が何なのかもわかりました。

2020/07/14

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