短編アンソロジー 患者の事情 (集英社文庫)
短編アンソロジー 患者の事情 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
医療に特化(中には?もあるが)したアンソロジー。しょっぱなに山本文緒さんを読めたのはラッキーだった。ほかにも気にはなっていた白石一郎、隆慶一郎の初読み。久坂部羊、渡辺淳一の医師免許持ちの作品もなかなかにリアルでグロテスク。馳さんの『長い夜』、初期の彼の作品を彷彿とさせる内容が楽しめる。これで820円は読み得だね。
2022/02/19
いつでも母さん
集英社文庫編集部編のアンソロジー14作品。1949年『怪物』(三島由紀夫)から2011年『シリコン』(久坂部羊)まで、時代小説もある「患者」いろいろ。患者本人はもとより、取り巻く人間関係の妙を面白く怖く読んだ。好みは山本文緒さん、藤田宜永さん、遠藤周作さん、渡辺淳一さん。氷室さんのエッセイは身近に同じ様なタイプがいるのでよく分かる(笑)編集者・池田裕樹さん曰く「患者の事情など知らんもんね」その言葉が生々しく言い得てるアンソロジーだった。
2022/04/10
KAZOO
集英社文庫の食にまつわるアンソロジーに引き続いて、患者という視点からのものです。合いも変わらず筒井さんのは快作という感じで笑いながら読んでしまいました。小松さんの「くだんのはは」はさまざまなアンソロジーに収められています。久坂部さんのはかなり女性の心を深層分析している気がしました。藤田さんの「特殊治療」は一種の怪談ですね。さまざまな味わいのある作品集でした。
2019/06/07
ごみごみ
さまざまな事情を抱えた患者たちが繰り広げる14のアンソロジー。ブラックコメディ、ホラー、SF、時代小説と作者によって作風もさまざま。やっぱり怖いのは人間。しかもその多くは女性!「彼女の冷蔵庫」「シリコン」「共犯者」「薔薇連想」が印象に残った。
2021/06/10
kei302
SFとかホラーっぽい作品が多くて、うわ~…でしたが、 冒頭の「彼女の冷蔵庫(山本文緒)」と時代物「包丁ざむらい(白石一郎)」の2つは爽やか系の終わり方で印象に残った。 文緒さまの作品は巧さが光る。泣けてきた。
2022/03/08
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