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ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

作家
高野秀行
出版社
集英社
発売日
2006-03-17
ISBN
9784087460230
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ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

奇妙な、そしてふざけたタイトルに見えるのだが、そこにこそ高野秀行の真骨頂があるのだろう。そして、ミャンマーの実態はことほどさように把握しにくいのだろう。単純に軍政vs民主派スーチーではないのだ。柳生一族との比喩はともかく、ミャンマーを伝えようとの工夫には敬服する。そして、ミャンマー最辺境のワ州レポートにも。高野秀行のこのレポートはは世界の誰にも伝え得なかったミャンマーを、まさに極私的に(それは案外にも普遍的なのだが)伝える、極めて貴重な報告なのではないだろうか。

2016/05/03

buchipanda3

ミャンマーを知ろうと思って手に取った本。題名を見ると本当にミャンマーの事が書かれているのかと疑ってしまいそうだが、ちゃんと歴史や当時(2004年)の国の体制、街や人々の様子が描かれていた。軍事政権を江戸幕府に例えており、これが結構ツボを押さえた内容で何より読み易い。市井の人達とのワイガヤな交流が面白く、そこからミャンマー人の人柄を見極めている。多民族国家の多様さが国際人的な社交性を持たせているのではと著者は分析。ただそのバランス取りが政情安定のカギであり難しさも。複雑な状況が続く国の背景を幾らか掴めた。

2021/02/24

読特

旅へ出ようよ、愉快な旅へ。何度も不法に入った国へ。民主化したと思ったら、また軍事政権に舞い戻る。うんざりするニュースしか聞かない国へ。…その昔、独立を目指して立ち上がった三十人の志士たち。筆頭アウン・サンは紋次郎ならぬ紋次。次席ネ・ウィンは高杉晋。時が下り暗殺されたアウン・サンは家康になる。二代目ネ・ウィン秀忠の世では大目付柳生キン・ニュン宗矩が実権を握る。軍直営の旅行会社。ツアーガイドは十兵衛ならぬ三十兵衛。何を監視しているのやら…クーデターから3年。続く混乱。憂いてばかりではなく、知ることが大事。

2024/07/16

honyomuhito

そのうちに見なければいけない映画リストにずっと入っている「柳生一族の陰謀」。あの高野氏がミャンマーを舞台に、この映画に擬して書いた本があると知っては、読まずにいられない。ミャンマーの柳生一族(軍事政権の情報部)のアテンドで旅行することになった高野氏。どんな厳しい監視と検閲を受けるのかと、ミャンマーに赴くが、柳生一族たちは、実は、、。「柳生眠たし」「柳生仕事すべし」「柳生の怠慢」外で読むとニヤニヤが止まらなくなるので、要注意。https://chirakattahondana.com/ミャンマーの柳生一族/

2018/08/29

honyomuhito

軍によるクーデターと反対する民主化デモにより、最近またにわかにミャンマーの名前をニュースで聞く機会が増えた。少し見聞きしただけだとアウン・サン・スーチー氏が再び軟禁され、軍が強引にクーデターを起こしたように見える。表面的に聞こえてくる出来事だけが世の中で起こっているすべてと思うほど素直な性格ではない。ということでミャンマーで過去に何があったのか復習のために再読である。興味本位なので高野氏が以前のミャンマー軍事政権を徳川幕府に、情報部を柳生一族に例えるギャグとも本気ともつかないこの本がちょうどいい。

2021/03/05

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