かえっていく場所 (集英社文庫)
かえっていく場所 (集英社文庫) / 感想・レビュー
taraimo
以前に読んだ『岳物語』の少年=息子さん、娘さんも独立し、それぞれの活躍が頼もしい。著者夫婦も互いに精神を病み、年を重ねた後半の旅の向き合い方で、自立した奥さんが高地に挑み気丈に、仕事柄の旅をさすらう著者の少し気弱な面が気になりました。晴天の洗濯作業に仕事からの解放感を得たり、他所の洗濯物が風に揺れる生活感ある風景が、多忙な著者の孤独感の裏返しのように思えて……離れて暮らす家族が水入らずで過ごす旅の様子はホッとします。豊富な人脈や経験で綴られる椎名さんの旅と、散歩のような私の旅とのスケールの違いに驚くばかり
2020/11/22
miwmiw
中学時代から読んでた椎名さん、一時読まなくなってたけど、「大きな約束」が良くて、それ以前の話のこちらを読んでみました。武蔵野からの引越し話から。鬱の時にまたそれを思い返して書いていくという作業は、辛いんじゃないだろうかと、その真面目さが心配だったり。そんな中ほんの少しだけ希望を感じさせるとこもあり、一気に読めました。やっぱり椎名さんの文章いいなあ。後書きも良かったです。
2014/08/16
小豆姫
子どもたちは成長しそれぞれに自分のことに忙しくて、時とともにばらばらに変わってく家族のかたち。みんなで賑やかに食卓を囲めるのなんて、すごく短いんだよなあっとしんみりしてしまった。心身ともに下り坂を実感したりもして。地球上をワイルドワイドに旅してきたアクティブな椎名さんですらそうなんだなあと。
2021/10/09
sin
kindle版。30年ぐらい前、むさぼるように椎名誠の本を読み漁り、当然「岳物語、続岳」も読んだ。大好きな作家でその家族やお友達まで近くにいる人たちの様な錯覚を覚えていたほどだ。夫婦の関係や子育てもわが身や我が家ではなかなかできない事だけれど憧れでもあり理想だった。約30年ぶりに「岳物語3」を手に取り(それでも15年前出版だけど)久々のシーナたちへの懐かしさに涙が出そう。岳くんや娘さん(前話ではあえて登場なし)の成長と少し年取った感の椎名夫婦の日常。パタゴニアのチャンピオンベルト話は一気に30年前に戻った
2016/12/27
nyanlay
不眠症やうつ状態などは前回『ぼくがいま、死について思うこと』を読んで、ある程度予備知識としてあったので、ショックは小さかったですが、やはり一時期シーナさんの作品を読まない間に様々な出来事があったんだと改めて判りました。そして奥さんのことを大事にしている状況も浮かんできました。
2016/06/26
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