偽偽満州 (集英社文庫)
偽偽満州 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ぴょる吉・アンジェリーナ・Y
「5時に夢中」でおなじみの岩井志麻子先生の作品。実に男臭い筆致。女郎が主人公なので頻繁に性描写が出てくるが、繊細かつ大胆、そして誇り高い。女性が読むべき小説だと思うが、敷居が高そうだ。舞台は満州、登場人物は女郎、強盗、オカマ、小人等。血生臭い場面も満載。でも、勢いがあって本当に面白いしいつもTVでち◯こを連発している裏で(表で?)先生すごい仕事してるんだねって感心。
2012/05/08
さつきち
相変わらず湿り気と凄みのある文体でよかった。特に纏足で足コキのシーンとかよかった。でもそれだけに、通勤電車で読んだのは失敗だったwこれは家で一人でじっくり読むのが合う本。
2012/03/27
サラ.K
久しぶりに岩井志麻子を読んだ。この人の持つ鮮やかな毒気が好きなのである。表紙も思惑通り極彩色。セクシャルな場面を描かせればさすがの一言。纏足の少女と天野、稲子との三人のもつれあいは匂いすら漂ってきそうだった。読みやすい。
2012/01/09
くさてる
岡山の貧農出身の生命力に溢れる娼婦が、自分の魅力と行動力だけを糧にして、愛しい男とともの逃避行から、愛しい男そのものを探す旅に挑む物語です。。前半までのバイタリティあふれる展開と、後半のまったりとした幻想的展開の落差がちょっと惜しいですが、最後まで面白く読みました。
2007/05/14
yonemy
満州国そのものが現とは思えない成り行きで誕生したからでしょうか、往時の日本人に大きな夢を見させてくれる所だったのですね。そんな満州ならば夢中楼はありか~と思わせる、さすが志麻子先生。そもそも満州にわたって男に売られてからのヒロインは、銃を頼りに運命に導かれるようにハードボイルドを重ねていくのですが、それすらも岡山女郎の淫夢なのか?と思わせるほどのモヤモヤした筆致です。一方、中国東北部の街の美しさは本物っぽくって、行ってみたくなりますね☆
2024/08/23
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