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「話して考える」と「書いて考える」 (集英社文庫)

「話して考える」と「書いて考える」 (集英社文庫)

「話して考える」と「書いて考える」 (集英社文庫)

作家
大江健三郎
出版社
集英社
発売日
2007-06-28
ISBN
9784087461701
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「話して考える」と「書いて考える」 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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すみれ

講演を基に「エラボレーション」したもの。考えさせられること多く、立ち止まりながらの読書だった。大江さんの生き方は、話す書く考えることと真摯に誠実に繋がっている、言葉の選択の流儀にも頭が下がる。「トムは真夜中の庭で」の読むことと生きること「時」との関わりの丁寧な読み解きもとても楽しい。医療従事者への願いは、「罪と罰」のソーニャ、「魔の山」へ込めたトーマス・マンの言葉、シモーヌ・ヴェーユの思索を通して語られる、至福。私もより豊かな未来の人間性というものを「人間という秘密に対する畏敬に基づいて」想像してみる。

2019/06/29

浅香山三郎

何冊めかの大江健三郎さんの講演・随筆集。入念に仕上げるといふ意味の「エラボレーション」をキーワードに、「話して考える」(講演)ことと「書いて考える」(小説の執筆など)こととの、連続性を本書を編むにあたり念頭に置いたといふ。 「中野重治の美しさ」、「佐多さんが「おもい」と書く時」などは、ゆかりの地、ゆかりの団体の集まりといふ場だからこその内容であり、大江さんが先輩作家たちの作品のことばに仔細な関心を払つて、そこから各々の作家の作品のなかにあらはれた、思索の深さを探り当ててゐる。

2024/03/19

しょうじ

大江健三郎の小説は私には難解で、これまで何度か挑戦しましたがなかなか読めませんでした。が、友人から「恢復する家族」というエッセイ本を頂き、それを読んで感銘を受け好きになりました。本書でも「恢復」について言及されています。知識が広く経験も深く、大変学びがある。癒しは受動的な出来事ではなく能動的な行いによる。まさに。そして、さまざまな本に関して、なるほど文章とはそのように読むのかと、感心しました。ことば選びひとつとっても。中野重治、T・Sエリオットの書も読みたくなりました。

2022/09/14

シモネッタ

講演記録ですが、自伝のようでもあります。独自の読書論など、大江健三郎がはじめての人でも読めます

2018/05/28

matsu2015

ノウハウ系の考え方のものかと思いきや、大江氏の講演集。頭のいい人の物事のとらえ方、著名人とのかかわりの中で大江氏がとらえた言葉などの紹介。読みやすいけれど深い。難しい話もあるけれど一話一話完結の講演だから読める。

2021/07/11

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