パズラー 謎と論理のエンタテインメント (集英社文庫)
パズラー 謎と論理のエンタテインメント (集英社文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
6つの短編集を同じ作家が書いたと思えないタッチで楽しませてくれた…死んだ筈の女友達が生きていた謎の『蓮華の花』、フロリダでの邦人留学生殺人を追う『卵が割れた後で』、子供時代の不可解な事件を振り返る『時計仕掛けの小鳥』、都築道夫さん作品へのトリビュート『贋作「退職刑事」』、アメリカンバイオレンスB級映画を彷彿させる『チープ・トリック』、高校生男女が殺人事件に挑む『アリバイ・ジ・アンビバレンス』…単にトリックに終始するのではなく、人の感情を作品によって情緒的&パロディ的に描いていて「巧いなぁ」と素直に思えた。
2018/07/31
ナルピーチ
解説で使われている「論理のアクロバット」というワードに思わず納得。縦横無尽に飛び回るように躍動する多彩な物語は“謎”を楽しみ“論理”を突き詰め“エンタテイメント”として昇華されていく。お気に入りは「チープ・トリック」と「アリバイ・ジ・アンビバレンス」の2作品。どちらも構図は似ている作風ではあるが凝縮された展開と尾を引くような後味の悪さがとても面白かった。さすがパズラー作家の西澤先生。他4話の短編作品もしっかりとしたロジックを存分に満喫する事ができました!
2023/02/15
ダイ@2019.11.2~一時休止
短編集。1編は最近出たアンソロジー集の方で既読。チープトリックが一番よかった。
2016/06/16
サム・ミイラ
七回死んだ男が面白かったので次はこの作品を手にとってみた。タイトル通り謎解きを愉しむための遊び心に富んだ六話のパズル短編集。オーソドックスな殺人事件かと思えば日常の謎であったり、突如アメリカが舞台になったりとそれぞれ違う趣向なので好みは大きく分かれるだろう。私は一話目の蓮華の花に衝撃を受けた。この作家の懐の深さを感じた。北村薫の如きフォーマットにどこか連城三紀彦を思わせる男と女の情感に酔う。この一作をして読んで良かったと思わせる佳作。ぜひ御一読を。
2016/10/06
みゆ
読友さんのお薦め本。面白かった~♪ 短編6話はどのお話も主人公一人or話し相手と二人で『~なのでは』『いや、それでは~と矛盾が』と喧々諤々論戦が繰り広げられる。解説の貫井さんによると「論証過程を楽しむタイプのミステリー」らしい。なるほどね~、副題の『謎と論理のエンタテインメント』とはこういうことなのね。スッキリ(^^♪
2018/07/13
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