愛さずにはいられない (集英社文庫)
愛さずにはいられない (集英社文庫) / 感想・レビュー
禿童子
読み通すのにこんなに時間がかかる本だとは思わなかった。著者の16歳からはじまる高校時代のできごとをほぼ実話通りに書いた自伝的小説。藤田さんとは10歳足らずの年の差しかないので、当時の雰囲気を良く覚えているし、同棲・中絶・浮気と似たような奔放な性生活を送っていた従兄も身近に見ていたから書かれている内容が生々しく迫ってくる。本能と衝動に突き動かされる青春に憧れたこともあるが、自分が経験せずに済んだ安堵感の方が大きい。正直言って主人公に対して共感よりも嫌悪・厭悪の感情がわく。確かにどこか壊れているわ。
2017/04/04
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
訃報の新聞記事で、サングラス着用は人と目を合わせたくなかったから、というのを読み著者に興味がわいて手にとったのですが、ほかの方のレビューにもあるように読了にえらいこと時間がかかったのは、落ちはいったい何なんや?と思わされる、「愛されたかった」と一言いえば済むことを延々と超遠回しにしていることに付き合うことがしんどかったのかな、と。タイトルの落ちもわかりましたが、なんか違和感と思ったら初出時はやっぱ違うタイトルだったのね。愛さずにいられなかった、ではなく、愛して欲しかった、がほんとに訴えたいことなの→
2020/05/31
オカピー
藤田さんは、私の一世代前の方でした。田舎から京都の大学へ行き、学生時代を過ごしました。親や田舎から解放され、高校時代の抑圧もあってか、好き放題はじけていました。入学後、すぐにタバコ、お酒、麻雀を覚え、読書も色んな本を読みました。高橋和己、大江健三郎、三島由紀夫、サルトル等難解な本を読んで、自己満足していたような。ジャズ喫茶、ロック喫茶も良く通いました。映画もたくさん見ました。当時は24時間営業の映画館があって、3本立てで時間制限なしで見ていました。充たされない心を埋めるために(笑)そんなにカッコ良くないか
2022/01/19
ねぎまぐろ
★★★
2024/11/04
バーベナ
藤田氏の写真が載っていた。線が細い長髪の美少年。そんな彼の自伝的小説。高校生なのにタクシーを気軽に使っていてそこにビックリ。60年代は初乗り約100円。由美子の淡々とした恋愛観に惹かれる。
2021/01/31
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