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さようなら、コタツ (集英社文庫)

さようなら、コタツ (集英社文庫)

さようなら、コタツ (集英社文庫)

作家
中島京子
出版社
集英社
発売日
2007-10-19
ISBN
9784087462234
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さようなら、コタツ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含めて7つの短篇を収録。タイトルは軽いエッセイを思わせるので、私ならむしろ「陶器の靴の片割れ」を採る。共通するキーコードは部屋。「部屋の数だけ人生はある」ー私たちは7人の人生を追体験することになる。いずれも実に軽妙なタッチで語られるが、終わりはそれぞれにせつない余韻を残す。もっとも「ダイエットクイーン」は、一貫して健気でせつないのだが。一方「八十畳」はコミカルなままに終始する。また、表題作は読者によって結末(あるいは山田伸夫)に対する受け取り方が複数ありそうだ。ちなみに、私はちょっと悲観的。

2022/06/11

しんごろ

いろいろな人が住んでる部屋をベースにした短篇集!どの作品もすごい盛り上がりがあるわけではないんですが、むしろ切なさを強く感じる作品が多かったかなと思います(^^;)表題作『さようなら、コタツ』が良かったですね!女性の弱さ、強さ、切なさみたいのがすごく感じる作品でした。『八十畳』も題材が独特で良かったです。BGMには、種ともこ『HARVEST』かな(^^;)

2017/02/11

じいじ

なかなか味わいのある短篇集でした。イチ押しは【ハッピー・アニバーサリー】東京に住む娘のアパートを父親が訪ねてきます。娘はもちろん留守。母親から預かったカギで中へ…。哀愁漂う最後の1頁の父親が良いです。何を書いたらいいのか悩んだ末に「帰ります」と一言のメモを残して、アパートを後にします。同性愛の匂いを著者は上手く描いています。―最近は時間が惜しいので、巻末の解説はスルーしていますが、今作は伊集院静氏だったので読んでみた。著者との出会いが、面白く綴られています。つぎの中島作品は『FUTON』に決めました。

2022/11/21

naoっぴ

中島さんの魅力がぎゅっと詰まった短編集。ユーモアの混じったふわふわした文章で描かれる、笑えるけど切ないストーリーが7話。特に表題作はすごく好きで二度読みした。自分の誕生日に来てくれるという好きな人への期待で胸ふくらませる30代の乙女心が句読点なんぞすっとばして勢いよく溢れ出し、上がったり下がったり。その後のオチも良かった。「ハッピーアニバーサリー」「ダイエットクイーン」「八十畳」もいい。どれも中島京子的センスを感じさせてくれる話だった。

2019/01/11

いたろう

短編7編。書名は中の1編のタイトルだが、前書きに、この短編集の裏タイトルは「へやのなか」とある通り、部屋や家が重要な位置を占める話が収められている。同性の恋人と父親が鉢合わせになった女性の部屋、15年以上振りに男性に料理を作るアラフォー女性の部屋、妻が出て行った後のイラストレーターの家、これから結婚する男が夢に見るかつて恋人と部屋の思い出、もうすぐ取り壊される古いアパートの住民たち、大叔父か住む古い日本家屋、そして、相撲部屋の話まで。アパートの住民の話「ダイエットクイーン」は、長編で読みたいと思える作品。

2020/12/19

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