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gift (集英社文庫)

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作家
古川日出男
出版社
集英社
発売日
2007-11-20
ISBN
9784087462333
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gift (集英社文庫) / 感想・レビュー

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やすらぎ

全ての短編から夜雨が薫る。脳裏には現実世界のように鮮明な絵が深く刻まれ奥底に沈む。真白な空間、数多の見えない壁。自らに課せられた時の流れが他者と異なれば障害となり、半歩の躍動も後退も好ましいのか答えがない。一夜にして姿を変えた町、そして自身。今朝と昨夜のどちらが事実で夢なのか、彷徨う思考が充実を崩す。強雨降れば流れ新たな感情を見る。今宵はどちらの世界を歩いていくのだろう。太陽さえなければ冷たい砂が僕を打ちつけてくれる。生存。鳥が羽ばたけば泉の在処を知るだろう。進もう。吸い込まれた先にある別次元へ向かって。

2023/06/03

❁かな❁

とても好き♡なんだろう。この心地よい春風のような空気感*都会の喧騒を離れ、ぼーっとただ流れる雲を眺めゆっくり過ごすような感覚。古川日出男さん初めて読みました!私にはこの作品がぴったりフィットしたようで今作から読んで良かった♪短い文章から行間を楽しむことができ1つの掌編ごとに旅に出る。お気に入りは「ラブ1からラブ3」「あたしはあたしの映像のなかにいる」「静かな歌」「夏が、空に、泳いで」「光の速度で祈っている」「アルパカ計画」何度も味わいたくなる素敵な掌編集。購入して良かった♡一言で語れない魅力溢れる作品*

2018/01/04

あも

さっぱり分からん話だろうと思っていたのに、冒頭から心をムギュッと鷲掴まれた。とても良かった。ルールは一つ、音楽とリズムに乗って空間をたゆたうのみ。さらば凝り固まった頭でっかちの常識。【ん】からあいうえおを始めてみる。あなたに向かって後ろ向きに歩き出す。理解は不要。ガラクタの中にある宝物。飛ぶことも歩くことも等しく自由。腕を振って冬の朝に空を見上げ夏の日差しを想う。妖精の足跡、屋上の宇宙、天球の音楽。光も闇も喧噪も無音もすべてが祝福されたギフト。あぁ、俺はどうしようもなく生きているんだな。ありがとう、世界。

2017/12/30

masa

今は今しかない。そんなの知ってる、つもりなのだけど。実感するのはいつも、今が過去になってから。未来を今から大切にしようと。身構えている、つもりなのだけど。未来がやってきて今になると、見失うんだ。まるで、猫が神様の姿に戻る瞬間を見逃してしまうように。「それは目で視るしかないの。レンズには映らないの。YouTubeでは再生できないの。絶対に」そうだった、と思い出す。カメラを止めろ!あのときの、音楽の残像を僕は耳の中に奏でながら生きる。ハロー神様、と猫に語りかける。神様への贈り物。ひとつの物語を。a gift.

2019/03/09

H!deking

古川さんの掌編集。うんうん、これはストーリー云々より、言葉のリズム感であったりとか、世界観を楽しむのが良いですな。さすがに全部面白かったとはいわないけど、中にはとてもとてもハマった話もありました!個人的には好みです♪58冊目

2018/06/29

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