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銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)

銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)

銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)

作家
山本一力
出版社
集英社
発売日
2007-12-14
ISBN
9784087462418
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銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) / 感想・レビュー

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ともくん

銭を売るという、江戸時代特有の職業。 男気、人情味に溢れ、誰からも慕われる賽蔵。 山本一力の筆によって、魅力的な人物に仕上がっている。 江戸深川の街並みが、まるで目の前に広がっているかのように臨場感溢れる文章。 山本一力の筆力に脱帽してしまった。

2018/11/12

アルピニア

舞台は江戸時代中期の明和。五匁銀の発行と鉄銭の生産にまつわる物語。人々の生活の様子、いろいろな商い、商人のヒエラルキー、通貨のしくみ、等々興味深かった。賽蔵は、一介の銭売りだが、「真っ当な暮らしをしている人々の役に立ちたい」という志を持っている。自分達の損得だけを考えて買い渋り、売り惜しみをする両替商や金座に知恵で立ち向かう。彼の気概に心を動かされる人がだんだん集まり・・。「徳は孤ならず、必ず隣あり」という言葉を思い出した。賽蔵や英伍郎、次郎右衛門の矜持、何より深川庶民の人情が心に沁みて温かい読後感。

2023/11/15

酔拳2

いや面白いわ。山本一力先生って、江戸の様々な職業を描くのが得意だそうですが、本書は銭売りと言う、今では馴染みのない職業。要は両替商なんだけど、でかい金を日常に使う小銭に両替して、手数料を頂く商売です。出だしは冴えない感じの主人公賽蔵ですが、話が進むにつれ大物感が出てくる。江戸版半沢直樹っつってもいいんじゃない?相方のおけいが要所要所で賽蔵を助けるのがいかす。話は貨幣改鋳の鉄銭をどう市井に浸透させるか、という難問に立ち向かった男、と言う感じかな。敵が味方になっていく成り行きはワクワクします。ビバ深川!

2023/11/08

きょちょ

彼の作品は2作目だが、どうやらヒューマニズム、義理人情、侠気などを描くのが持ち味なのだろう。 従って、安心して読める。 言ってみれば、高倉健の侠客映画の、時代小説バージョン。 金・銀・銭(文)の流通や、なぜ両替商や銭売りが成り立つのか、ほかにも江戸時代の風俗がいろいろ描かれていて、それは勉強になった。  スカッとしたいときに彼の作品を読もう。 ★★★

2019/07/31

はかり

山本一力は何冊か読んでいる。いつも解説がましい気がしてじっくり読めない。賽蔵は孤児だけに人情に篤い漢。深川を舞台に銭を売る。筋を通して欲を出さない。それが支持を集め、共感を呼ぶ。

2020/09/07

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