荒蝦夷 (集英社文庫)
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荒蝦夷 (集英社文庫) / 感想・レビュー
財布にジャック
高橋克彦さんの陸奥三部作を読んでから、蝦夷に興味を持ちました。「火怨」で活躍したアテルイのお父さんの呰麻呂を主役にしたお話なんですが、ちょっと残酷な描写が多めなのが辛かったものの、読んで良かったです。蝦夷の生き方や意地や頑張りが、きっと今の東北の方々の血に受け継がれているのだと思い感動しました!そして、最後の最後まで読ませる熊谷さんの実力にも脱帽です。
2011/09/01
カムイ
大和朝廷に従わない蝦夷達の物語、アテルイを扱った(まほろばの疾風)先に読んでいたのである程度分かっていたがそれでも面白く読めた、アザマロの残虐が目に余る荒ぶる蝦夷と言うことか、裏切りには苛烈に徹したアザマロ、その対比にアテルイの優しさをより一層現れていた。
2020/09/27
Baro
もともとは,伊坂幸太郎の「仙台ぐらし」を読んで,出版社「荒蝦夷」を検索したら,この本にもぶち当たったのでした。先に「まほろばの疾風」を読んで,それと繋がるお話なのかな?と思いながら読み始めたら,違ってびっくり。「蝦夷観の変化」と解説にあったけれど,同じ人物を似ているけど違う設定で描くっていうのは,すごいことじゃないかな。ますます熊谷達也が好きになりました。
2016/01/10
星落秋風五丈原
巌流島を例に挙げるまでもないが、戦いは、相手を先に見切った方が勝つ。 「面白い若者ですね。あらゆるものがふたつに割れ、あの者の内で刃を交えている。」こう評されたのは、奈良時代、蝦夷反乱軍のリーダーとして大和朝廷と対峙する阿弖流為。評したのは大和朝廷側の征夷大将軍、坂上田村麻呂。だが、初対面にして、田村麻呂は阿弖流為を見切っている。後に激闘を繰り広げることになる二人の、大和朝廷と蝦夷の勝敗はもうこの時に決まっていた。
2008/01/08
TheWho
時は、奈良朝末期の宝亀11年(780年)に陸奥国(東北地方)で、蝦夷の族長であった伊治呰麻呂が起こした宝亀の乱迄の奥州の動乱を描き、著者「まほろばの疾風」で、阿弖利為(アテルイ)の反乱に繋がる東北古代戦乱絵巻。古代東北地方の争乱は、高橋克彦や著者前作等の著作で数々取り上げられてきたが、本作は、蝦夷対朝廷との図式ではなく、蝦夷内の思惑を赤裸々かつ非情な描写が新鮮であった。所々残酷な描写が散りばめられ読者により、読み進められない箇所もあると思われるが、奥州の歴史の真実を描いたと思われる衝撃な一冊です。
2023/01/31
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