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漢方小説 (集英社文庫)

漢方小説 (集英社文庫)

漢方小説 (集英社文庫)

作家
中島たい子
出版社
集英社
発売日
2008-01-18
ISBN
9784087462562
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漢方小説 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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zero1

リズムがある文体が魅力の作品。31歳の女性みのりが、カキにあたったのか痙攣を起こし緊急搬送される。しかし原因が分からず病院を巡る。結局、漢方医に頼ることに。その医者がイイ男でー。未婚の31歳というのは女性にとって不安なことが多いのだろう。精神と健康は密接な関係にある。その中で暗くならずツッコミを入れる主人公に、女性読者は共感するのではないか。「院内カフェ」の作者らしい。気軽にすぐ読める作品として約140ページという長さも適切。本が売れない時代を打ち破ってほしい。芥川賞候補。

2019/01/21

mariya926

読みやすかったですし薄いのですぐに読めてしまいました。私も鼻炎は漢方の病院に行っています。根本的に治そうと思うなら漢方がいいと思いますが、保険の効かない薬を出されると高いので他の漢方の病院には行けていません。主人公のような漢方の病院が近くにあればなーと思って読みました。なかなかリアリティがありますが実体験かな?私も最近は体調が良くないので、ちょうどいい時にこの本に出会えた気がします。

2019/07/11

mukimi

恋に仕事に行き詰まったアラサー女子、突如不調に見舞われる...その嘆きは聞いてるだけで胸が痛い、わかる、わかるよ、辛いよね...。私も医師として西洋医学の補助に処方する漢方は数種類あるが効果の仕組みや中医学の詳しい知識は実は曖昧で、効いてください...と祈りながら出すこともある(西洋医学の医者って東洋医学まで勉強する余裕なく殆どそうだと思う)。それでも漢方には興味が尽きない。情緒と臓器を結びつけて考える「七情」の考え方が興味深い。この本自体は難しいことはなく、一人の女性が立ち上がるまでの話として楽しめる。

2022/05/24

mocha

病院ではどこも悪くないと診断され、男友達には「精神があさっての方を向いてるから病気になる」なぞと言われる。大抵の女性が何らかの不定愁訴とだましだまし付き合ってるのではないだろうか。病名は「あなただけの病気」。こんな漢方クリニックをかかりつけに持っていたら頼もしいだろうと思った。

2017/01/06

きむこ

東洋医学が好きなので手にとった作品。31歳女性の病名のつかない不調の奮闘小説ですが、テンポよくわかりやすく漢方を中心に東洋医学のことが描かれていました。西洋医学は不調の原因の局所を治そうとする医学で、東洋医学は全体の流れの中で滞っている部分の流れをスムーズにすることによって全体のバランスを整える医学。だから西洋医学のような病名が付けづらい。けれど人間は病名があると安心する。もちろん私も西洋医学に頼るけれど、生活面での不調は病名がつけづらいものが多い。もっと東洋医学系の考え方が浸透したら良いな。★4

2022/03/19

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