はなうた日和 (集英社文庫)
はなうた日和 (集英社文庫) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
山本幸久氏は幸せの危うさをご存じなのだろう。よくご存じで、その大切さ危うさ故、それが失われてしまうことの怖さが判っている。だからこそ、これほど大切に大切に小さな幸せを表現できる。幸せにはいろいろな形がある。loto7が当たる、ノーベル賞を受賞する、サッカー日本代表がワールドカップで優勝する、阪神タイガースが来年優勝する。でも山本氏の描く幸せはそんなありそうもないものではない。そこにあり、手を伸ばせば届きそうな幸せだ。心がほんわり温かくなるような幸せなのだ。言うまでもなくこんなイイ小説に出会うのも幸せ。
2013/10/31
のんき
ほのぼのした短編集でした。家出少年にも、不倫して別れた女性にもドラマがあり、えー、こんなことがあるんだあって思いました。どの短編も、その後になんかありそうな感じの終わり方で、読後感もよかったです。なんか今いろんな悩みとかあっても、明日はいいことあるよって、失敗しても、明日また頑張ろうって思わせてくれる作品でした
2018/01/18
ユザキ部長
短編小説です。山本幸久さんらしくどの話もほんわかと優しくうれしい気分になります。どの話も絶妙にリンクしてて楽しい。そういえば世田谷線ってなかなか乗る機会がない。よく目にしますけどね。いつ乗ったけかなぁ。
2016/04/10
りゅう☆
離れて暮らす父を訪ね父の思いと嫉妬を感じたり、失恋後知った驚きの事実を断ち切り新しく恋を始めようとしたり、定年退職日の決意に不意の出来事に落胆し納得したり、バツイチ子持ち女性に持ち込まれたお見合いのその後が気になったり、散歩中逃げた犬に旅立った彼女への思いを重ねたり、30代グラビアアイドルの人生を振り返ったり、オタクの熱意に勇気をもらえたりと世田谷線周辺の老若男女の日常物語。クスっと笑える面白さに加え、各物語リンクしてる嬉しさに再び読み戻るたび、彼らの前向きな思いに何度も温かさを感じた。千倉さんファイト!
2015/06/15
はつばあば
世田谷線なるものを知らないから、日常の一コマを短編に繋いであるだけの作品としか思えなかった。感想を書く談になって?。書けない。でも・・七変化なんて言うと化け猫か狸のようだが、幸久さんはどの登場人物でも・・5歳の子であれ、リストラおじさんであれ、女もピン切りまでどの人の心まで表現できる人なんだと。自分の言葉に突っ込み入れるようだが、「七変化」昔TVで見てた松山容子さんの「琴姫七変化」。懐かしく思い出しました
2015/06/11
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