聖域 (集英社文庫)
聖域 (集英社文庫) / 感想・レビュー
kei302
『ゴサインタン』系列の作品。本作も含め「三部作」らしい。こちらを先に読んだ方がよかったかも。 関わった者たちを破滅へ導くという未完の原稿「聖域」。 水名川泉との噛み合わない会話は見ている方向が違うというか、 出版したい編集者のエゴ丸出しの実藤が見苦しい。 スピリチュアル色宗教観の濃い独特の世界観が随所に現れ、ちょっと苦手な分野なのに、ぐいぐい読ませる勢いがある。
2021/05/02
バイクやろうpart2
篠田節子さん作品10冊目です。これまで読んだ篠田さん作品とは志向の違う内容でしたが、引き込まれました。取り憑かれた人間が、いつの間にか踏み込んではならない『聖域』に踏み込む描写に人間の欲望、脆さ、儚さを感じる一冊でした。
2019/04/05
GAKU
過去何作品か読んでその度に篠田さんという作家さん、凄い作品を書くなと感じました。そして今作品でも同様の読後感。神とか魂とか死後の世界などを信じているわけではないです。しかしこの作品を読むと一概には否定できないものが、この世の中にはあるのではないかと思えてしまいます。久しぶりに充実した読書時間を過ごすことが出来ました。あらためて篠田さん凄いです。良い意味でぐったりです。
2022/02/10
tama
図書館本 篠田ファンだから 面白かったです。読んでる間は結構のめり込みました。ホラー・宗教素材を使ってますがあくまでそれは材料。「我」ってものはどうしようもないもんだ、がテーマかも。実際の編集者ってあんなに食らいつくものかね。相手が普通の神経してたら叩き出されると思うけどなぁ。序盤の「原稿」がダダ長くて、本気で原稿のその先が読みたくなってしまいます。あれだけ材料放り込んだんだから即身仏の辺り、もうちょっと膨らましてくれてもよかったなぁ。軽く述懐で終わりって勿体ない。
2014/12/29
ユミコ
篠田さん4冊目。かなり宗教色が強い作品。言ってることが解るような解らないような…「聖域」という途中まで書かれた小説にのめり込む実藤。水名川泉と出会ってからどんどんおかしくなっていくのが怖かった。難解だったけど何故か一気に読んでしまえる不思議な作品だった。
2017/01/15
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