ダ・ヴィンチの愛人 (集英社文庫)
ダ・ヴィンチの愛人 (集英社文庫) / 感想・レビュー
UK
なかなか凝った造りで面白い。ダ・ヴィンチが若かりし頃の自分のことを臨終の床で懺悔調で語るという設定。しかも自分のことを別人格に代えて物語は展開されていく。若々しい恋、開花する才能、そして動乱のフィレンツェと読み応えたっぷり。あえて突っ込めば、ダ・ヴィンチのお話である必要があるのかな。一人の芸術家の生涯として読んで十二分に楽しめる。まあタイトルにこの名前を入れると人目を惹きつける効果はあるけどね。
2016/02/22
HoneyBear
「逆光のメディチ」と同じ(改題)。騙されて買ってしまった。
mafuyu
時代背景が解らないなりに楽しめましたし、著者の光や色の表現やきれいな文章はとても好きです。アンジェラをダ・ヴィンチの仮の姿とし物語が進んでいくのも不思議な感覚ながらも物語に没頭できました。ロレンツォ、ジュリアーノ、レオーネ、其々の魅力と影が描かれていて面白かったです。ジュリアーノとアンジェラの近くて遠い関係性がとても良かったです。アンジェラの愛し方は芸術家らしくて納得。ロレンツォとアントニーナの信頼関係・やり取りは歴史もの!って感じで好きでした。改題されたとの事ですが元のタイトルのが合ってる気がしました。
2019/01/17
ふみな
ダ・ヴィンチを女性に仮託して書かれた小説。 パッツィ家の陰謀に関わるお話がメインで、合間にメディチ兄弟とアンジェラ(ダ・ヴィンチ)との恋が描かれる。 それで結局恋物語はどういうあれなんだ?ってなるんだけど、ドラマティックで、天才にしかできない生き方、愛し方で面白かった。パッツィ家の陰謀もしっかり理解出来たし!
2018/11/05
那生
新潮社の『逆光のメディチ』改題。細部が微妙に書き直されていましたが(特にラストの台詞とか)、私としては最初に読んだ時のインパクトが強かったので古いほうを手元に残すつもりです。レオナルド・ダ・ヴィンチが別人格をもって語るフィレンツェ16年の回顧録。歴史上の人物の恋物語や人間模様が、まるで現代に蘇ったかのような身近さで綴られている良作。時代考証もかなり精密なのでイメージが湧きやすく、またそれを細かに描くため時代にすんなりと溶け込めます。一恋愛モノとしてもよし、歴史小説に含めてもよしな多面作品。
2011/06/30
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