パレオマニア 大英博物館からの13の旅 (集英社文庫)
パレオマニア 大英博物館からの13の旅 (集英社文庫) / 感想・レビュー
piro
「パレオマニア(古代妄想狂)」の男が大英博物館に収蔵・展示されている世界各地の品々のルーツを旅するお話。各地の独特な風土や習俗が興味深く語られます。シュメールのところで述べられる「四千年を費やして人は文明を量的には拡大したが、質の方は根本的には変わっていない。」と言う一節が印象的。また、「アボリジニの文化では精神が物質から解放されて、それだけで立っている。」と言う件は、私達にとって重要な教えだと感じました。大英博物館は世界を知る上での玄関口。実に興味深い。
2024/07/20
James Hayashi
パレオマニアとは古代妄想狂。大英博物館で気に入った収蔵品を選び、その作られた13の地を訪問し文明を見つめ直す。訪れた国はギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ、英国、カンボジア、ベトナム、イラク、トルコ、韓国、メキシコ、オーストラリア。飽きずに読める浅さと、様々な国々というバランスが良く世界の遺跡と博物館を巡った様な感じを得れた。これは出版社の企画でない様な雰囲気であるがとても良い。できればその他の展示品で続けて欲しい。大英博物館は無料で撮影自由は驚き。桑原武夫学芸賞受賞作。
2016/11/23
taku
大英博物館で気に入った所蔵品の故郷を訪ねる。なんて贅沢な旅なんだ。もう羨望なんてしないなんて言わないよ絶対。文章から自分に酔っている感も受けるが、古代に思いを馳せたり現代に重ねてみることが陶酔的であるから、美術品や遺跡が好きな私は推測と想像の愉悦に浸る。こういった本を読むとき、モノや場所をお手軽に調べられ、博物館のバーチャル見学もできる今はなんて便利だなんて言うよ絶対。だけど写真じゃ伝わらないことがある。やっぱり現地に行って現物がみたいよ。
2018/11/05
Eee
大英博物館を中心に 展示されている作品の土地や歴史を 追い求めていく物語 主人公はだれなのか 池澤さんご自身なんだろうと思いながら読みすすめた 美術に博物史 知的で素敵な出会いと 悲しい現状などが 絡み合った物語 こんな生活羨ましすぎると思いながら 一緒にいろんな土地へ行き 歴史を見てきた気分です
2017/09/23
sabosashi
古今東西の古典文化に触れようとするとき、そのあまりの膨大さ、広範さを前にして、ひとは眼が眩む。もちろん、眩む以上のものが含まれているわけだが。 どこかしらに取っ掛かりが見出せれば、これほどいいことはない。そんな取っ掛かりなるものはえてして偶然によるものが多い。 大英帝国なるものがある。 スペイン帝国を蹴落とし、世界に冠たる帝国を築いた大英帝国なるものは、つまりは世界的略奪、収奪国家であったわけで、新たな世界システムのなかでのイギリスの行きすぎた存在のことは、何度話しに載せてもよいはず。
2019/12/26
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