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心中小説名作選 (集英社文庫)

心中小説名作選 (集英社文庫)

心中小説名作選 (集英社文庫)

作家
藤本義一
日本ペンクラブ
出版社
集英社
発売日
2008-11-20
ISBN
9784087463774
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心中小説名作選 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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みつ@---暗転。

**** 純文作家から文芸作家まで、大正昭和に発表された「心中」を冠する6篇。文学的概念の「心中」というよりは、ジャンルとしての「心中小説」寄りか。やはり読みやすさ(先が気になるという意を含めて)では、後半に収録された「六本木心中」「那覇心中」。展開が推理小説めいていたり、男女の他人には理解できないような痴情の果てだったりとエンタメ的であり、俗っぽいという意見もありそうだが、個人的にはこの2作が特に楽しめた。巻末の対談も興味深く、これまでは描かれる対象だった「女性」作家の「心中小説」が読んでみたくなった。

2017/09/09

冨井 丸

★3.0 一言で言えば、面白かった。世の中に心中小説って幾つくらいあるんでしょうね。200くらいあるんですかね。その中から選ばれた6編。なんと文庫化に伴い太宰治と水上勉と野坂昭如の3編が大人の事情か何かで削除されていた。これが非常に残念。是非、読みたかった。それにしても「心中」に惹かれるのは何故でしょうか。怖いもの見たさというヤツでしょうか。他人の不幸は蜜の味的なアレでしょうか。一緒に死んでくれるほど女に愛されたいからでしょうか。それとも、「心中」というのはやっぱりキラキラしているんでようか。

2023/04/24

再読。色々な作家の色々な形の心中集。現代では過去よりも身分の差がなくなり情死は少なくなってきた気がする。欧州はキリスト教で生きることが善だから心中は少ない。文化の違いを感じる。日本で有名な心中といえば太宰、有島だろうか。有島の遺書には『愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかつた』というのがある。那覇心中の『恋には年齢の隔たりも貴賤はない』という言葉が重なった。共に死ねる程愛せるものがあるのは正直羨ましい。

2017/12/29

シン

B評価。良い作品が多い短編集。

2008/02/20

水戸

六人の作家の、時代の違う心中ものが載っています。だまし絵のような感覚の心中、ひそやかな哀愁と妄想じみた想いの心中、さみしさと優しさからくる共感の心中、はたからみれば理解不能な、けれど当人たちの心情を思えば仕方がないとやるせない気持ちにさせられる心中などなど……。最後に掲載されていた対談も興味深かった。

2015/07/17

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