ヘヴンリー・ブルー (集英社文庫)
ヘヴンリー・ブルー (集英社文庫) / 感想・レビュー
hiro
『天使の柩』を読むために『天使の卵』『天使の梯子』を読み、さらに『天使の卵』の映画も観てから、夏姫の目線で書かれたこのアナザーストーリーを読んだ。この『ヘヴンリー・ブルー』を読んで強く感じたのは、歩太、慎一の側からみていた以上に、夏姫の裏切られことに対する怒り、嫉妬と春妃の死に直面した後の後悔が強かったことだった。アナザーストーリーを読んだことによって、『天使の卵』の世界がより広がった。小説を読むより、『あとがきのかわりに』(『ヘヴンリー・ブルー』を書いていた頃の村山さんの日記)を読むのに時間がかかったw
2014/04/09
びす男
夏姫目線で楽しむ「天使の卵」。梯子をまだ読んでないんだけれど、順番間違えたかな?ともかく、こういう楽しみかたが出来るシリーズはいいなぁと思った。一人一人の個性が頭のなかでしっかり出来上がっているからこそ、書き上げることができるんだろう。そして著者の日記も面白い。普段は目にすることの少ない作家の世界を垣間見ることができる。
2017/08/02
にいにい
「卵」「梯子」の作品を夏姫目線で振り返るアナザー?ストーリー。2作を読了後さっと思い出すのに最適で、スケッチもいいけど、必読の書ではないかな。2作品では、直接は描かれない(推測出来るものではあるが)夏姫の想いを描く。純粋な恋心、歩太が離れていく焦り、憧れの姉に奪われた哀しさ、取り返しのつかない言葉への後悔。そんな夏姫の苦悩を。だから寄り添うフルチンが良かった。後ろのメイキング・エッセイは嬉しい特典。作業を垣間見たことで、一層親近感が湧く、当時の村山さんの個人的な事情も含め、登場人物も、まぁ~色々あるさ。
2015/07/16
ゆこ
『天使の卵』のアナザーストーリー。『天使の卵』は好きなので、期待して読んでみたら……。半分ほどはあとがきという名のエッセイ。期待が大きかっただけに非常に残念。本編の舞台は『天使の卵』から十年後。夏姫の視点から見ると、印象は随分変わる。また、過去の、みんなが青年だったあの頃の色々なことを想起させる。だからといって何かしら目新しいものは何もなく……。これは、正直なところ、なくても良かったかなという印象。夏姫の思いは答え合わせが出来たけれど(笑)嫉妬、後悔、色んな思いを沢山したんでしょうね。文章はとても綺麗。
2014/03/21
パフちゃん@かのん変更
「天使の卵」「天使の梯子」「天使の柩」に続けて読みました。「卵」「梯子」の夏姫の心情を綴ったもの。特に違和感も無く、新しい発見もなく短いのでさらっと読み終えてしまった。これなら「卵」「梯子」で十分だったのではないだろうか。でもこの話好きですけどね。映画版「天使の卵」は「卵」「梯子」を合わせた内容で語り手が夏姫になっている。それとのコラボで書かれた作品だそうだ。だから新しいストーリー展開が全くなくてちょっと残念。作者曰く小説だけど散文詩のようなもの・・・その通りですね。
2014/03/19
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